「好きなことで、生きていく」
いつからか言われ始めたこの言葉。
「好きなことをして生きていない人はバカだ」と言わんばかりの空気が世の中に流れはじめた気がします。
たしかに、インターネットが普及し、一人一台スマホを持つようになった現代社会においては、好きなことをして生きていくことのハードルは下がりました。
実際、僕も好きなことで生きている人間の一人です。
気の合う仲間と試行錯誤をしながら仕事をする毎日は、高校時代の部活動に似た感覚で非常に充実しています。
嘘はつきません。好きなことで生きていくのは、嫌いなことをして生きていくことの何万倍も幸せです。
ただ、「好きなことで生きていく」のメッセージが一人歩きした結果、逆に苦しい思いをする人も生まれてしまった気がします。
メディアのせいなのか教育のせいなのか解らないけど、「やりたいことを見つけられるのが普通」みたいな風潮はほんとにおかしいし、これはほぼ呪縛だと思う。みんなやりたいことなんてほとんどは見つけられなくて藻掻いているよ。なので、”ちゃんと藻掻く事、藻掻き方”を定義して伝えることに価値はある
— sem_master (@semlabo) January 7, 2020
このツイートにもあるように、現代社会を生きる私たちは、「やりたいことが見つけられるのが普通」という呪縛に縛られすぎています。
この記事では、やりたいことがわからず、苦しんでいる方に向けて次のことをお伝えします。
- やりたいことがないことに悲観しないでほしい
- やりたいことを見つける方法
やりたいことがわからずに苦しい思いをしている方が、この記事を読んで少しでも救われたと思ってもらえたら何よりの幸いです。
もくじ
やりたいことがわからないのは普通
やりたいことがわからないのは、普通です。
やりたいことを仕事にしている人が目立っているだけで、大半の人は好きなことをして生きてはいません。
たしかに、Twitterのタイムラインには好きなことをして稼いでいる人ばかりが流れてきますし、instagramを開けば幸せいっぱいな投稿ばかりが目に入ります。
日常的にそれらを目にする私たちは、世の中の人全員が好きなことを仕事にして生きている感覚に陥りますが、それは認知バイアスです。
決して好きなことをして生きている人ばかりではないので、まずはそのバイアスによって苦しめられるのをやめてください。
やりたいことがないのは不幸?
ここで1つ例を出してみます。次のクイズを読んでみてください。
ある父子が自動車事故にあってしまい、父は近所の病院に送られ、息子は別の病院に送られました。幸いにも、その病院には天才と名高い院長がおり、その院長がじきじきに息子を処置してくれることになりました。
しかし、病院に運ばれてきた息子を見て、院長は即座に言いました。『私には彼を手術することができません。彼は私の息子なので失敗が怖いのです。』どういうことでしょうか?
どういうことかわかりますでしょうか?
これは心理学の研究で実際に使われるもので、どんなにIQが高い人でも即座に正解できる人は2割もいないそうです。
正解は、問題の担当医がその息子の母親だったのです。
たいていの人は「院長は男性に違いない」と思い込み、それ以外の可能性を探そうとしなくなってしまいます。
よく目にする「男性の院長」にバイアスをかけられ、女性の院長がいる可能性を考えなくなってしまうのです。
普段の生活でもそのバイアスは多いに働いており、やりたいことを見つけなければいけない呪縛もそのバイアスからきている可能性が高いです。
フリーランスの方々が、何にも縛られず自由に働けるフリーランスが良いといえば、フリーランスが最高。
ブロガーが、PC一台でサラリーマンの収益以上を稼いでいると知れば、ブロガー最高。
逆にサラリーマンとして会社に縛られ汗水垂らして働いている自分は不幸なのではないかと考えるようになってしまいます。
また、一度バイアスにかかると、人間は自分が信じた内容を裏付ける情報ばかりを無意識的に集め始める傾向があるため、どんどん勝手に不幸になっていく生き物なのです。
しかし実際には、フリーランスやブロガーなどで生活費を稼いでいる人はほんの一握りで、大半の人は好きなことで生きてはいません。
まずはその現実や、自分自身がバイアスをかけて世界を見ていることに気づいてください。
99%の人間はbeing(状態)に重きを置く
やりたいことをして生きている人はそもそも少ないことを伝えました。
しかし、やりたいことが見つかっている人もいるのは事実です。彼らはどのようにしてやりたいことを見つけたのでしょうか。
まずお伝えしたいのが、人間には2種類の人間がいるということです。
- to do(コト)に重きをおく人間
- 何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
- being(状態)に重きをおく人間
- どんな人間でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する
参考:【書評】転職の思考法 〜 キャリアを考えるきっかけになりました
99%の人間はbeing型です。
99%の人間はbeing型であるにも関わらず、「やりたいこと(to do)」を探し求めて彷徨ってしまっています。
認知バイアスについて説明をしましたが、世の中に溢れる成功体験は1%のto do型の人間が書いている場合が多いため、成功するためには「やりたいこと」を見つけなければいけないとバイアスをかけられます。
しかし、それは幻想です。
もちろんやりたいことがあるのは素晴らしいことですが、ないからといって自分自身を悲観する必要は全くありません。むしろそれが普通なのです。
では、99%のbeing型の人が幸せになるにはどうしたら良いか。
まずは「心からやりたいことなどない」ことに気づくことです。
being型の人間がやりたいことを見つける方法
まずは、心からやりたいことが見つからないことを認めましょう。
“figure out what i want to do with my life” (人生でやりたいことを見つける方法)とGoogleで検索すると、大量の検索結果が現れ、世界中でやりたいことが見つからなくて悩んでいる人がいることがわかります。
たいていのサイトでは、やりたいことを見つけるために自分自身に問いかける以下のような質問を紹介していますね。
- もっとも情熱を注げるものは何か?
- これまでの人生で最大の成功は何だったか?
- 人生が永遠だったら何をするか?
- もっとも尊敬する人はどんな人か?
- やりたくないことは何か?
- お金を気にしなければやりたいことは何か?
- 世間体を気にしなければやりたいことは何か?
- 来年死ぬとしたらこの先の1年間は何をするか?
やりたくないことや、尊敬する人物くらいは答えられるかもしれません。
しかし、やりたいことが見つかっていない人が他の質問に回答できないのではないでしょうか?
よくある「やりたいことを見つけるための質問集」では、やりたいことなど見つけられないでしょう。
では何をすべきか。行動することに尽きると思います。
参考:天職の見つけ方
やりたいことは行動していく中で見つかる
やりたいことを見つけるためにはとにかく行動しましょう。
99%の人間がbeing型であることを先ほどお伝えしましたが、being型の人間はたとえ論理的に探しても本当にやりたいことなど見つかりません。
being型の人間の頭の中にやりたいことなどないのです。だから探しても見つからないのは当たり前。
行動を通して「これは楽しい」「これはつまらない」と振り分けながらやりたいことを探していくのです。
行動して、行動して、行動しましょう。
行動してやりたいことを見つけていく方法は、僕自身「本当にやりたいこと」がわからず悩んでいた時にプロのキャリアアドバイザーの方に相談して教えてもらいました。
関連記事:実際に使って、そうだんドットミーの評判を確かめてみた
人に相談する中で見つかる
そうだんドットミーという転職・キャリアに特化した相談プラットフォームを利用して、次の悩みを相談しました。
- 将来やりたいことがわからない
- モチベーションの源泉が見えない
60分間、プロのキャリアアドバイザーの方に悩みを聞いてもらった結果、もちろんその時間ではやりたいことは見つかりませんが、どうしたらやりたいことを見つけられるのかに自分なりの答えを出すことができました。
それが、とにかく行動を繰り返すことです。
具体的には、アドバイザーの方のフィードバックをご覧ください。
特に心に残ったのは次の部分です。
あとは、目標は今の段階でバシッとドンピシャを 決めなくてもよいと思います。 ご自身の奥深さに気づいていかないと ドンピシャは見えないかなぁと思いますので、 とにかく、今は、自己分析と並行して トライ&エラーでいろいろ体験して 体験を通して自分に合う合わないを判断して 軌道修正を都度かけていけばよいと思います。
目標(人生をかけてやりたいこと)を決めなければ幸せにはなれないと苦しんでいた僕に、そうだんドットミーのアドバイザーの方は「今はドンピシャで決めなくてもいい」と伝えてくれました。
そして、トライ&エラーでいろいろな体験をして、その行動の中で「本当にやりたいこと」を見つけることができると。
そうだんドットミーでのアドバイスもあって、現在では少しでも興味があるものには積極的に手を出しながら常に行動するようにしています。
その結果、なんとなくではあるものの「やりたいこと」が見えてきました。
やりたいことを見つけるために
やりたいことがわからない人に向けて、僕なりのやりたいことの見つけ方を紹介しました。
最後にまとめます。
- やりたいことがわからないのは普通
- 99%の人間の頭の中には「本当にやりたいこと」などないため、探しても無駄
- 行動を通してやりたいことを能動的に探すことが重要
まずはそうだんドットミーのようなサービスや友人に相談することから始めたり、ずっと気になっていたことに手を出してみてもいいかもしれません。
頭で考えるだけではなく、小さな一歩を踏み出すことが何よりも重要です。
これを読んでくれた方が、やりたいことがなくても悲観しない状態になっていたら幸いです。
コメントを残す