AirBnB創業者「AirBnBの創業で何がいいって、これは典型的なデザインの物語なんだよ」

全世界190を超える国で利用することができるAirBnBは、今でこそ「ユニコーン企業」と呼ばれる企業に成長しました。

しかし、AirBnBの創業者を務めるブライアンチェスキーは、シリコンバレーに典型的な起業家ではなく、プログラムを書くこともできなければ、ハーバードやスタンフォードといった一流の大学も出ていません。

彼は、ロードアイランド・スクールオブデザインという美大でインダストリアルデザインを学んだ学生であり、創業当時はビジネスを何も知らない若者だったそうです。

AirBnBの創業者は、美大卒でビジネス知識ゼロ(Unsplash)

AirBnBの創業者は、美大卒でビジネス知識ゼロ(Unsplash)

共同創業者のジョー・ゲビアも、同じ美大出身で全くビジネスには知見のなかった若者でしたが、ロードアイランド・スクールオブデザインの卒業式の後にチェスキーを捕まえて以下のように述べたのだそうです。

「お前が飛行機に乗る前に伝えなきゃいけないことがある。俺たちはいつか会社を立ち上げる。そしてそれが本になるんだ。」

チェスキー、よく聞け。俺たちはいつか会社を立ち上げるぞ!(Unsplash)

チェスキー、よく聞け。俺たちはいつか会社を立ち上げるぞ!(Unsplash)

そして美大出身の二人は本当に会社を立ち上げることになりましたが、AirBnB誕生の物語はスタートアップ界隈ではあまりにも有名で、歴史上の伝説的創業物語のように神話化されています。

当初のAirBnBのアイデアは非常に小さなもので、CEOのブライアン・チェスキーと共同創業者のジョー・ゲビアが家賃の支払いに困っていた時に思いついたものです。

それは、サンフランシスコにある地元のホテルがデザイン博で満杯になるタイミングを狙って、彼らのアパートの余ったスペースにエアマットを引いて貸し出すというものでした。

当時作ったウェブサイトを、”1000 days of AirBnB”というAirBnBの創業からの1000日間をCEOのチェスキーが振り返った時の映像で見ることができますが、とても時価総額10億ドルを超えるユニコーン企業に化けるようなサービスのページには見えません。

AirBnBの当初のサイトは小学生が作ったかのような代物(Unsplash)

AirBnBの当初のサイトは小学生が作ったかのような代物(Unsplash)

しかし、チェスキーは「どんなに見た目が悪くてもアイデアがあるならそれを形にすることが大切だ」と述べています。

最初はデザインもビジネスモデルもひどかったAirBnBですが、思いついた小さなアイデアを形にして少しずつ改良していった結果、現在のような世界を代表する企業にまで成長したのです

チェスキーとゲビアが最もこだわっていたのが「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の部分だといい、サイトが滑らかに動いたり、部屋の予約を3クリック以内で行えるようにするなど、徹底してユーザーの使いやすさを考えていたそうです。

どんなに見た目が悪くてもアイデアがあるならそれを形にすることが大切だ(Unsplash)

どんなに見た目が悪くてもアイデアがあるならそれを形にすることが大切だ(Unsplash)

多くの投資家が、彼らにビジネスの経験が全くないことや、美大卒というバックグラウンドに懸念していたそうですが、ゲビアはむしろ美大を出たからこそAirBnBの成功はあったと以下のように述べています。

「AirBnBの創業で何がいいってこれは典型的なデザインの物語なんだよ。解決するのが難しい問題に直面した時、もう後はなく、時計の針は刻々と進んでいく。でも、どうにかして何もないところから創造的な一手を打たなくてはいけない。これって、美大で学んだことの延長線にしか過ぎないんだ。」

AirBnBの成功には美大での経験が生きている(Unsplash)

AirBnBの成功には美大での経験が生きている(Unsplash)

チェスキーもゲビアと同様に美大での経験が生きていると考えており、「ロードアイランド・スクールオブデザインは偉大な起業家を生み出すと思うよ。学校では、クリエイティビティでどんな問題でも解決できると教えてくれるんだ。」とも語っています。

「デザイン思考」を生み出したことでも有名なIDEOは、「イノベーションに不可欠な3つの要素がそろってはじめて新たな価値が創り出される」と提唱しているそうですが、その3つの要素とはデザイン、ビジネス、エンジニアリングだといいます。

デザイン、ビジネス、エンジニアリングでイノベーションが起きる(Unsplash

IDEOのいうデザインとは何もプロダクトの色や形と言った見た目のことを指すのではなく、「新しい可能性を発見するための問題解決のプロセス」のことを指します。

つまり、サービスやプロダクトを使うユーザーを徹底的に理解し、彼らの抱える潜在的な問題を解決するプロセスのことを「デザイン思考」と呼ぶのです。

AirBnBはデザイン思考で成功した(Unsplash)

AirBnBはデザイン思考で成功した(Unsplash)

AirBnBは、美大卒という特殊なバックグラウンドを生かした二人だったからこそ生み出されたサービスです。

AirBnBの成功のように、これからの時代では「ハーバード卒」「MBA」「プログラマー」といったこれまでの典型的なシリコンバレーの起業家だけではなく、もっと様々なバックグラウンドを持った人が世界を変えていくのかもしれません。

チェスキーが、見た目の悪いサイトであっても、とにかくアイデアを形にしようと一歩を踏み出し、彼が美大で学んだ「デザイン」をビジネスという異なるフィールドで生かしたことで、AirBnBという巨大な帝国を築き上げました。

AirBnB創業の物語は、たとえ一流の大学を出ていなくても、コードがかけなくても、「一歩を踏み出す勇気」さえあれば、もしかしたら世界を変えることができると私たちに伝えてくれているのではないでしょうか。

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