レッドブルの成功の秘密が隠された本『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか

僕は本書を読んで、マーケティングの魅力に取り憑かれました。

なぜ200円もして、効果も科学的に説明されていないただの水が世界で52億本も売れるのか。

その理由を知ることで、マーケティングの面白さ、ブランディングの大切さを理解することができます。

マーケティングやブランディングに少しでも興味がある方、もしくは「レッドブルが好き!」という方、ぜひ一度本書を手にとってみてください。

目次

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか

レッドブル

本書は、世界165ヶ国で52億本以上の売上実績を持つ「レッドブル」という企業の成長の秘密について迫ったものです。

レッドブルはブランドの強さに凄さがありますが、その凄さの裏側には何があるのかを知ることができる本となっています。

マーケティングやブランディングに興味のある方にとっては、「なるほど」と思う点の多い読んでいて楽しく勉強になる本となっているでしょう。

『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』で何が学べるか

本書で学べる内容を一言で要約すると、「体験やブランドを売れ」です。

人々は200円もする水にお金を払ってるのではなく、レッドブルを飲んでるクールな体験に対してお金を払っているのです。

このことを理解すると、なぜ人々がスタバに熱狂するのかが分かるようになるでしょう。

商品ではなく、体験を売れ

消費者が求めているのは飲み物ではなく、エキサイティングな体験、生きる喜びなのだ。そのためには本来の商品価値よりもはるかに高い対価を支払うことに、消費者はためらいを感じない。

レッドブルは飲料としては比較的高い部類に入りますが、創業者のマテシッツは最初からレッドブルをハイエンド製品と位置付けていたそうです。

レッドブルのブランド価値こそが、その高価格の源泉となっているですが、それは「翼を授ける」こと、つまり生きる喜びを消費者に提供することなのだといいます。

はじめは存在すらなかった「エナジードリンク」という市場を開拓していくには「なぜ『レッドブル』という商品がなくてはならない存在なのか」を消費者に理解させる必要がありました。

そこでレッドブルは、消費者が求めているのは飲み物(モノ)ではなく、エキサイティングな体験(コト)なのだと定義し、売上の1/3をこのブランドイメージを浸透させるための広告とブランド育成に費やしています。

その結果、レッドブルのブランド力はどんどん高まり、比較的高価であるにもかかわらず全世界の若者文化とレジャー活動に欠かせない存在となることに成功したのです。

これは「レッドブル、翼を授ける」という有名なCMにもあるように、喉の渇きを癒すためではなく、新しい世代のライフスタイルを体感するためにレッドブルを飲むのだと世界にそのブランドイメージを努力して浸透させた結果なのです。

ブランド商品にとって最も危険なのは関心をもたれないことだ

レッドブルは売上の1/3を投資し、マーケティングとブランディングに力を注ぎ続けてきました。

彼らは「すべてはマーケティング」と述べていますが、消費者の関心とつながりを保つことに命をかけているのだそうです。

CMにもWebサイトにも、商品の説明などほとんどなく、その代わりにイメージ、価値観、イデオロギーを散りばめることで、消費者の心にブランドを訴えかけるようにしています。

実際に消費者は、医学的または科学的なエビデンスなどないにもかかわらず、レッドブルを飲むことで、持久力、集中力、反応力、俊敏性、注意力を高め、気分の向上をもたらすと信じて疑いません。

これもすべてはレッドブルが「マーケティング」に命を注いできた結果なのです。

『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』のまとめ

1本200円近くもするレッドブルを、その科学的効果もいまいちわかっていないにもかかわらず毎日のように飲む行動の裏には、彼らのブランドイメージを頭に刷り込まれているからであると気づかされました。

また、彼らはエナジードリンクという新たな市場を創造し、その分野で圧倒的なブランドを築きましたが、マーケターからすれば0からこれほどまでのブランドを生み出すことなど夢物語です。

マーケティングに携わる人や、ブランディングに興味のある方はぜひレッドブルの成功までの軌跡を本書を通して勉強してみると良いかもしれません。

そういう方であれば、ただただレッドブルの凄さにワクワクしながら読むことができると思います。

この記事を書いた人

浅井 優太のアバター

国公立大学外国語学部英米学科卒業。TOEIC 970点 / IELTS 7.0 / 高校の英語教員免許保有。新卒から大手メーカーの海外営業として働く。

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