リクルート社員といえば「圧倒的な当事者意識」と脳内変換される方も多いことでしょう。
圧倒的当事者意識とは「すべてのリクルート社員が身につけるべき「4つスタンス」の1つ」です。
実は他にも3つのスタンスがリクルート社員のDNAとして存在しています。
スタンスとは仕事に対する向き合い方くらいの意味です
リクルート社員は「仕事に対するスタンス」を徹底的に身につけさせられます。
同時に「6つのスキル」と呼ばれるリクルート社員必須のスキルも共通言語化されています。
これらのスキルとスタンスこそが、リクルートを人材輩出企業としている理由なのかもしれないね
リクルートに入社して一番良かったと思うことにこれらスキルとスタンスが身についたことって答える人も多いよ
スタンスについては社内の360度サーベイで指摘されたり、新卒で入社した社員にはスタンスを徹底させるための合宿研修もあるほどです。
また、自分はどのスキルが身についていて、どのスキルが身についていないのかをマネージャーと面談したりもします。
いわゆるWill・Can・Must面談です。
この記事では、リクルート社員が徹底的に叩き込まれる4つのスタンスと、ビジネスマンなら誰もが身につけておくべき6つのスキルを元リクルート社員の私が解説します。
- おすすめの人社会人必須のスタンスとスキルについて知りたい人
- もっと仕事を通じて成長したいと感じている人
- リクルートが「人材輩出会社」と呼ばれる理由に興味がある人口コミから分かる評判
6のスキル・4つのスタンスは、実態として全リクルート社員に求められていました。
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リクルート1年目で学んだ若手が身につけるべき4つのスタンス
リクルートが全社員に求めるスタンスは以下の4つです。
- 圧倒的な当事者意識
- 考え抜く・やり抜く姿勢
- 広く・深く学び続ける姿勢
- チームとして協働を追求する姿
具体的に一つずつ解説していきます。
リクルートのスタンス①圧倒的な当事者意識
「圧倒的な当事者意識」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
社内ではATI(圧倒的当事者意識の頭文字を取ったもの)と呼ばれ、全社員に浸透している概念です。
物事を他責にしたり、まだ新卒だし…なんて言ってると「お前ATI足りてなくない?」と詰められます。
入社したての頃、よくメンターに詰められました…
当事者意識とは、物事を「自分ごと」として捉える意識のことです。
リクルートでは、入社したばかりで事業構造も全くわからない時期から全ての業務に対して当事者意識を持つように促されます。
メンターや先輩社員に「どうしたらいいですか?」と聞いても「お前はどうしたいの?」と常に言われてきました。
「お前はどうしたいの?」とほぼ毎日言われていました
企業理念の一つに「個の尊重」を掲げるリクルートだからこそ、新入社員の段階から何事も自分で考えて行動することが奨励されるのです。
常に目の前のことを自分ごととして捉え、自分の頭で考える経験を当たり前の習慣として身につけることで、元リクと呼ばれるリクルート卒業生は起業や転職でも重宝されているのでしょう。
どんな仕事に対しても「自分はどうしたいのか」を考えることで、ただの作業が成長につながるようになります。
特に仕事を与えられることが多い1年目や若手社員にとって、「圧倒的な当事者意識」による成長の差は大きいはずです。
圧倒的な当事者意識とは?
- 目の前の仕事を「自分ごと」として捉える意識
- リクルートでは、「お前はどうしたいの?」と問われ続けることで醸成されていく
リクルートのスタンス②考え抜く・やり抜く姿勢
考え抜く・やり抜く姿勢とは言ってみれば「達成意欲」のことです。
リクルートではたとえ困難なことにぶち当たっても諦めずに考え抜き、やり抜く姿勢を求められています。
少し前に「GRIT(グリッド)」という言葉が注目を集めました。
GRIT(グリッド) = やり抜く力
多くの分野で成果を上げている人々に共通するのがこの「GRIT(グリッド)」であると言われています。
このGRIT(やり抜く力)ですが、具体的には「情熱」と「粘り強さ」という2つの要素から成りつそうです。
入社直後から、「諦めることを癖にしないように全ての仕事をやりぬきなさい」とメンターにしつこく言われ続けました。
社会の「不」を解決しようとするリクルート社員にこの「考え抜く・やり抜く姿勢」姿勢は必須なのです。
考え抜く・やり抜く姿勢とは?
- どんな困難にぶち当たっても諦めずに挑戦し続ける姿勢
- GRITとも呼ばれ、情熱と粘り強さという2つの要素から成り立つ
リクルートのスタンス③広く・深く学び続ける姿勢
広く・深く学び続ける姿勢は、「成長意欲」のことです。
リクルートに入社した直後から、全員の成長意欲が高いことに驚きました。
ビジネス職採用の同期もプログラミングを勉強したり、逆にエンジニアの先輩社員も夜間に大学に通って経営を学んでいたりします。
広く・深く学び続けることが当たり前の環境であるからかもしれませんが、たとえ全くプログラミングができなくてもプログラミングの必要な仕事を任されたりもします。
「僕にはできません」などといえば「圧倒的な当事者意識がないならリクルートやめろ」と一蹴されます
この広く・深く学び続ける姿勢は現代で必須のスキルだとも感じています。
リクルートでは「スキルの賞味期限」と言われていますが、技術や社会がめまぐるしいスピードで変化する現代では、特定分野に偏った知識やスキルはあっという間に陳腐化してしまいます。
そこで必要になるのが、常に自分をアップデートさせること、つまり「広く・深く学び続ける姿勢」です。
常に学び続けることができる人でなければ、これからの時代ではやっていけないのでしょう。
広く・深く学び続ける姿勢とは?
- 常に自分自身をアップデートさせるために学び続ける姿勢
- スキルの賞味期限が短い現代では必須の姿勢
リクルートのスタンス④チームとして協働を追求する姿勢
「チームとして協働を追求する姿勢」とはそのままですが「協働性」のことです。
協働性とは周りを巻き込む力とも言い換えることができます。
周りを巻き込むことができなければ、大きなことを成し遂げることはできません。
リクルートでも、周りを巻き込むことのできる人が活躍しています。
イメージしやすい場面でいうと、商品企画をしている人がもっともクライアントに近い営業を巻き込んで一緒に商品を作ったりすることです。
リクルートで人を巻き込んでいる人の特徴としては、Will(意志)を周りに伝えていることです。
「日本の教育を変えたい」「地方の飲食店経営者を救いたい」など、壮大なビジョンを語り、口だけでなく行動している人が共感を集め、協働してくれる人が現れるのです。
チームとして協働を追求する姿勢?
- 人を巻き込む力
- Will(意志)を発信し続けることで共感者が協働してくれる
リクルート社員が身につけるべき6つのスキル
リクルートが全社員に求めるスキルは以下の6つです。
- 構造で捉え俯瞰して見る力
- 分析的に捉え問題を特定する力
- 筋の良い仮説を立てる力
- プロセスを作り込む力
- ビジョンを打ち出す力
- 人を理解し統率する力
具体的に6つのスキルを一つずつ解説していきます。
上から2つずつ、「見立てる」「仕立てる」「動かす」スキルともグルーピングされています
求めるスキル①構造で捉え俯瞰して見る力(見立てる)
「構造で捉え俯瞰して見る力」とは、いわゆる論理的思考力です。
簡単にいえば、物事を論理的に捉え、因果関係を整理する能力。
リクルートでは、1年目に論理的思考力を鍛えるための研修に数多く参加させてもらえます。
また、教育熱心な社員が多いため、論理が通っていない話や提案に対しては育成の意味も含めてFBをくれる環境です。
そうした環境の中で1年目から徹底的に論理的思考力を鍛えられました。
「ビジネスの共通言語は論理だぞ」と言われ続けました
物事を俯瞰して全体を捉え、その全体を構造化する能力というのはビジネスをする上では必須のスキルです。
構造で捉え俯瞰して見る力とは?
- 論理的思考力
- 物事を俯瞰して全体を捉え、論理的に意味の通る構造に切り分ける能力
求めるスキル②分析的に捉え問題を特定する力(見立てる)
「分析的に捉え問題を特定する力」とは、いわゆる本質思考力です。
簡単に言えば、物事の本質を、現象の裏側にひそむ「構造」と「因果」として捉える能力のことを指します。
ビジネスでは、本質を捉えることができず、間違った課題設定をしてしまったがために全てが水の泡になることが頻繁にあるでしょう。
リクルートでは、「イシュー」の設定に多くの時間を割き、グレードが上がれば上がるほどイシュー設定が上手い人が多くなると感じました。
イシューとは、論点・課題・問題のことです。
イシュー設定に時間をかけたほうが全体として見た際に時間が短縮できる可能性が高いです。
分析的に捉え問題を特定する力とは?
- 本質思考力
- 現象の裏にある構造と因果を適切に捉え、最適なイシューを設定できる能力
求めるスキル③筋の良い仮説を立てる力(仕立てる)
「筋の良い仮説を立てる力」とは、仮説思考力のことです。
情報の少ない段階から問題の全体像や結論を考える思考のことを仮説思考と言いますが、この思考プロセスはビジネスでは非常に重要です。
仮説を設定することで、やるべきことを大幅に絞り込めるので、効率よく問題解決を進めていくことが出来ます。
たとえその仮説が間違っていたとしても、すぐに修正をすれば良いだけです。
仮説→検証のサイクルを数多く回した方が圧倒的に効率よくゴールにたどり着きますよね
リクルートでは「仮説思考」で物事を考えることは当たり前で、いかに少ない情報から筋の良い仮説を立てることができるかが求められます。
1年目の時には、データを揃えたり分析をし始める前に仮説を立て、メンターに壁打ちをすることで仮説へのフィードバックをもらっていました。
最初は全く筋の良い仮説を出すことができませんでしたが、メンターの思考プロセスを盗んだり、数多くのPDCAを回すうちに仮説の筋もよくなってきた実感があります。
筋の良い仮説を立てる力とは?
- 仮説思考力
- 少ないデータや情報からそれらしい仮説を立てるための能力
求めるスキル④プロセスを作り込む力(仕立てる)
プロセスを作り込む力は、ゴールに向かって描く道筋を詳細に作り込むことができる能力のことです。
1年目は様々な分析をすることが多かったのですが、適切なイシューを設定し、筋の良い仮説を立てた後にその仮説をどのように証明するのかの分析プロセスを作り込む練習を頻繁にやらされました。
分析で手を動かすまでに何回メンターとの壁打ちがあったことか…
プロセスを作り込むことは想像以上に難しいです。
また、きちんとしたプロセスを作り込むことができれば自分でなくても他の人が手を動かすことができます。
リクルートでは、グレードが上がれば上がるほど自分で手を動かすことは少なくなるため、誰が見てもゴールへの道筋が見えるプロセスを作り込む能力というのは必要なのです。
プロセスを作り込む力とは?
- ゴールへの道筋を詳細に描く能力
求めるスキル⑤ビジョンを打ち出す力(動かす)
「ビジョンを打ち出す力」とは、目指すところをはっきりさせることのできる能力のことです。
どの山に登ろうとしているかが明確になっていなかったり、登ろうとしている山の高さが示されていない場合、人はついてきません。
一つのエピソードとして、リクルートの僕が所属するチームが崩壊しかけたことがあります。
リクルートにはありがちですが、メンバーそれぞれのWill(意志)が強すぎてそれぞれがバラバラな方向を向いてしまっていました。
その際に、チームリーダーが全員で「チームのビジョン」を決める会を行い、腹を割って話し合い、チームでビジョンを策定しました。
それからはチームとして向かうべき方向がわかり、メンバーも働きやすくなりそれぞれの強みを活かせるようになりました。
明確なビジョンがなければ何もはじまりません。
特に上のレイヤーにいる人にとって「ビジョンを打ち出す力」は必要不可欠なスキルでしょう。
ビジョンを打ち出す力とは?
- 目指すところをはっきりさせる能力
- チームの目線、向くべき方向を揃えることができる能力
求めるスキル⑥人を理解し統率する力(動かす)
「人を理解し統率する力」とは、リーダーシップのことです。
目標達成に向かって組織やチームのメンバーをひとつにまとめて率いる力のことを指し、リーダー層に必須のスキルでしょう。
リクルートのリーダーには、「人を理解する」能力が非常に求められます。
リクルートにいる社員の多くは、Will(意志)が非常に強く本来であればマネジメントしづらい人材ばかりです。
しかしこのWillの強い人々が多く揃っていることがリクルートの強みでもあり、彼らのWillと組織としてやらなければいけないMustをうまく合わせることが必要になります。
有名なWill Can Must面談と呼ばれるものが半期に一回あり、そこでメンバーがマネージャーにWillを伝えます。
そこからマネージャーはそのメンバーに対してミッションを与えるのですが、このミッションがメンバーのWillと会社のMustを揃えたものにしなければいけないのです。
そのために人を理解する能力は必須です。
人を理解した上で目指すべき方向にメンバーを率いることができる能力が求められているのです。
人を理解し統率する力とは?
- 目標達成に向かって組織やチームのメンバーをひとつにまとめて率いる力
まとめ:リクルート社員の持つ6つのスキル・4つのスタンス
リクルートで徹底的に叩き込まれる4つのスタンスは以下です。
- 圧倒的な当事者意識
- 考え抜く・やり抜く姿勢
- 広く・深く学び続ける姿勢
- チームとして協働を追求する姿
リクルートが全社員に求めるスキルは6つのスキルを次の通りです。
- 構造で捉え俯瞰して見る力
- 分析的に捉え問題を特定する力
- 筋の良い仮説を立てる力
- プロセスを作り込む力
- ビジョンを打ち出す力
- 人を理解し統率する力
リクルートだけでなく、ビジネスマンには必須のスキルやスタンスばかりだと思います。
スタンスについてまとめると、全ての仕事を自分ごととして捉え、必要なことは自分で学び、周りを巻き込みながら最後までやり抜く力です。
スタンスを早めに身につけることで、どんな環境に入っても成長できる人材になります。
また、スキルについてまとめると、何をどのようにすすめていくのかを科学的に失敗する確率を下げるために必要なものばかりでしょう。
自分はどの能力が強くて、どの能力が弱いのかを客観的に考えてみて、ぜひこれからの仕事に活かしていってみてください。
ぜひみなさんも普段の仕事から「6つのスキル・4つのスタンス」を意識をしてみてください。
コメント
コメント一覧 (2件)
お世話になります。読ませていただきました。この文章はリクルート社元社員のどなたがまとめておられるのですか?この辺のお話をセミナーやご講演でされたりするんですか?お教え下さいましたら幸いです。よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
匿名でやらせていただいているので、こちら公開の場でお答えすることができず申し訳ありません。
ちなみにセミナーや講演で話すといったことはしておりません。