私は社会人4年目である29歳の時に、初めて転職を経験しました。
日系大手電機メーカーから未経験分野である外資系IT企業への転職です。
初めての転職であること、また大手日系企業から離れることもあって当時は転職活動に対して大きな不安を感じていました。
今の会社で働いて約3年が経過しましたが、転職を決意して本当に良かったと思っています。
本記事では私の転職体験談をお伝えする内容のため、以下転職条件の方にとってご参考になるかと思います。
- 初めての転職
- 20代での転職
- 未経験分野への転職
- 外資系企業への転職
同じような不安を抱えている方にとって、ご参考になれば幸いです。
本記事は、とうさん(@totto_tou)による寄稿記事です。未経験分野に転職する方・20代で転職の一歩目が踏み出せない方にとって非常に参考になる記事になっています。
もし外資系の企業への転職を考えているのであれば以下の記事も参考にしてください。
外資系IT企業への転職を決意した理由
私が転職を決意した理由は大きく以下の3つでした。
- 仕事に誇りを持てなかった
- 職場環境に大きな違和感を感じていた
- 家を購入した(転勤したくなかった)
仕事に誇りも自信も持てなかった
自分が取り組んでいる仕事に対して誇りを持つことができませんでした。
詳しくは書けませんが、当時は営業で受注に到るまでのプロセスについて大きく疑問や違和感を感じていました。
業界としての大きな枠組み、その地域特有の慣習などさまざまな要素が絡んでおり簡単に変えられる内容ではなく、入社してすぐにちょっとした絶望感を味わいました。
また、この仕事をこれから数十年続けていく自信もありませんでした。
職場環境に大きな違和感を感じていた
職場環境に対して、以下のような違和感を感じていました。
- キャリア選択を制限するような雰囲気
- 他部門を下に見るような雰囲気
キャリアを制限するような雰囲気
学生時代に海外留学を経験していたこともあって、海外営業を1つのキャリアとして考えていました。
会社として当時は海外売上高比率を高めようとしていた背景もあって、社内TOEICで高得点をとれれば海外営業からお声がかかっていました。
(私も1回目の社内TOEIC結果を受けてお声がかかっていたようでしたが、海外営業キャリアへの話は当時の上司から何も出てきませんでした)
2回目の社内TOEICを受験しようとしたところ、当時の先輩からは「TOEIC受けるなよ」といった話をされます。
半分は私の想像ですが、以下の理由でTOEICを受験しないよう釘を刺してきたと考えています。
- 営業として未熟な私を外に出すのはチームとして恥ずかしい(入社2・3年の頃で実際に営業として未熟でした)
- 国内のリソースが減る
- また海外営業の話が出ると1と2の件もあって、課長・部長クラスが(私が海外営業に出ないよう)調整する余計な仕事が出てくる
結局、私は先輩の圧に負けてしまいTOEICを受験できませんでした。
また、当時は海外分野を開拓中だったこともあり国内で稼いだ利益を海外が浪費している、という見方もされていました。
わがチームは「そんなところに人をやれるか!」といった雰囲気。
自分の意志の弱さもありましたが、キャリア選択を制限する雰囲気にはとても違和感を感じていました。
他部門を下に見るような雰囲気
営業部門の他に技術部門や建設部門があります。
一部の人間ではありますが、やたら他部門に高圧的態度をとったり下に見る方々がいました。そしてそれを許容してしまう雰囲気。
そのため、部門間での信頼関係は薄く「チームで協力して1つの目標達成に向けて働く」といった雰囲気はあまり感じられませんでした。
家を購入した(転勤したくなかった)
「海外営業が〜」と考えていた割に、家を購入すると転勤したくない気持ちが出てきました。
当時の所属部門では社員は3〜5年スパンでの転勤が多く、私はちょうど3年目が終わろうとしていた年。
しかも「家を購入したら転勤を命じられる」といったうわさもあったため、転勤を命じられる前に転職してしまおうと考えていました。
このような理由で転職を決意しました。
転職活動の内容
次に具体的な転職活動の内容を見ていきます。
利用した転職サイト
大手転職ナビサイトに登録して転職情報を見ていましたが、仕事が忙しく自分では十分に調べきれませんでした。
そこで、私が利用したのはマイナビ転職エージェントサーチ。
エージェント検索と言って、エージェントの得意分野から相談するエージェントを絞ることができます。
転職の相談をするなら、希望条件について少しでも得意なエージェントに相談したいですよね。
私の場合は、英語を活かしたキャリアを考えていたので以下希望条件に得意そうなエージェントを検索しました。
- 転勤なし
- 福岡勤務(家を購入したのが福岡でした)
- 英語スキル必須
結果、4名のエージェントをピックアップして、それぞれにコンタクトをとりました。
電話のみで済ますエージェントもいれば、アポを取って対面で話をするエージェントもいました。
私は、一度お会いしてしっかりと話をすることをオススメします。
希望条件をしっかり伝えたり、対面で合うことで私自身を雰囲気まで含めて知っていただくことも重要なのですが、転職が決まった場合はそのエージェントと一生のお付き合いとなる可能性があります。
優秀な人材であればあるほど、次回転職時にも強力な味方となってくれるので、最初はお会いして信頼関係を築いておいたほうが良いでしょう。
転職活動の期間
転職活動の期間は、約5カ月間でした。
最初の2カ月は大手転職ナビサイトに登録して求人情報を見ていましたが、仕事もあって十分に調べることができず進捗はほとんどありません。
その後、マイナビ転職エージェントサーチに登録して、約3カ月程で転職しました。
初めての転職は不安で思い切りが必要なのですが、一人で転職活動しているとなかなか大きな一歩が踏み出せないもの。
エージェントがついていると、(エージェント側の報酬にも関わるので当たり前ではありますが)転職に向けて大きく背中を押してくれます。
私は一人ではおそらく転職を決意できなかったと思うので、エージェントがついていて大変助かりました。
ちなみに、コンタクトしたエージェントは4名で、選考を受けた会社は3社です。
1社内定、1社面接にて落選、1社選考を途中辞退、という結果でした。
福岡勤務(転勤無し)、英語をバリバリ使う、転職前と同程度の年収、という条件で外資系企業へ転職しました。
外資系企業で3年間働いて感じたこと
外資系企業へ転職して約3年。感じたことを書いていきます。
日系企業と外資系企業を比較していますが、一般的な内容ではなくあくまで個人の体験ベースである点ご留意ください
何もかもが日系企業とは真逆の外資系企業
私が経験した日系企業と外資系企業は以下の通り真逆でした。
- 年功序列 vs 実力成果主義
- 察する文化 vs 明確に伝える文化
- 残業でカバー vs 定時内に終わらせる
詳しく見ていきます。
1. 年功序列 vs 実力成果主義
前職の営業では、どれだけ営業成績が良くてもボーナス査定や評価が良かったり昇進時期が少し早くなる程度でした。基本、年功序列の世界。
外資の営業では、成果を出せば出すほどお給料が増える世界。青天井の世界です。
私は現在営業ではありませんが、評価の基準はどれだけ自分の所属するチームに貢献できたか・成果を出せたか、でそこに年齢は関係ありません。
成果が出せない、価値を創出できない人材は不要です。
2. 残業でカバー vs 定時内に終わらせる
前職は定時で仕事が終わらない内容で、残業が当たり前でした。
2チーム経験しましたが、朝残業派と夜残業派の違いで、どちらも残業当たり前の世界。
夜残業派の時は終電過ぎての帰宅だったり、土日に出勤したり。(当時は大変でしたが、今となっては良い経験でした)
ある上司は、夜残業体質&休日出勤体質で(明確には言いませんが)それを強いられるようなケースもありました。
外資の現在のチームでは、いかに定時内にタスクを終えられるか考え抜くチームです。
個人で「不要なタスクを切り捨てる、タスクを人に任せる、タスクを効率化する」を考えて実行します。
それでもチームとしてタスク量が多ければ、チーム全体で話し合って優先度の低いタスクを切り捨てることを決めたり、他チームに対応をお願いしたりします。
個人でもチームでもできる限り不要な残業が発生しないよう、タスクの最適化を目指します。
3. フィードバック少 vs フィードバック多
前職はフィードバックの質も悪く、量も少なかったです。
つまり、適切なフィードバックはほとんど実施されていませんでした。
外資の現在のチームでは、フィードバックを大切にしています。
適切なフィードバックが人の成長をドライブさせるからです。
改善のフィードバックは、
- 1対1で
- できる限りタイムリーに
- どこが改善ポイントかを振り返って考え
- 改善ポイントと改善のためのNext Actionを理解する
といった形が多いです。
改善ポイントを理解してもらうことが大切なので、怒ったりもしません。
Goodフィードバックは、本人にどこが良いポイントだったのか具体的に伝えた上で
チーム内(みんなの前)で良かった事例として共有したり、上司に個別に共有したりします。
私も現在はフィードバックする立場となっているのですが、相手が今の会社で成功するために必要なフィードバックは?
という観点で、フィードバックの量や質にこだわっています。
最初の1年間はついていくのに必死
転職後、自身のレベルの低さに愕然としました。
- タスクの優先順位付けがおかしい
- タスク管理ができていない
- 適切なタイミングで報連相できていない
- 仕事に対する責任感や主体性が薄い
などなど…。
改善フィードバックで露呈した、自身のレベルの低さでした。
そこからはガムシャラに出来ることを全てやりました。
レベルが低いのであれば、レベルを上げるしかない。
メンターからさまざまなアドバイスをいただきましたが、いただいたアドバイスを自分流にカスタマイズして自分の武器とするためには、片っ端から実践していくしかありませんでした。
仕事が出来なさ過ぎて周囲に迷惑をかけつつも、徐々にレベルアップ(出来ることを増やしていく)を繰り返していきました。
最初の1年間は、私の社会人としてのレベルが低いこともあり、外資系での慣れない仕事と自己成長の両方に時間を投じていました。
とにかくついていくのに必死な1年間。
成果の出せない人材・価値創出のできない人材と見なされたら終わりだったので、必死でした。
入社して1年を過ぎると徐々にチーム内で活躍できるようになり始め、入社して約2年半で昇進するまでに至りました。
正当な評価と昇進
外資では成果の出せない人材・価値創出のできない人材と見なされたら終わってしまいますが、逆にチームに成果や価値を提供できる人材は正当に評価されます。
つまり、年齢や昇進時期にかかわらず昇進に見合う成果があれば、昇進して年収アップが見込めます。
これは私の仕事への大きなモチベーションとなっており、年収アップのために仕事を頑張っています。
【まとめ】20代の転職で「スキルアップ」と「自分に合ったフィールド探し」を
転職の背景や理由、具体的な転職活動の内容、外資系で3年間働いてみて感じたことをご紹介しました。
20代の転職は初めての転職で不安だったり、フィールドを変えるために未経験の分野に飛び込むべきか悩んだりすると思います。
私も「日系大手企業のバリューネームを捨てて、29歳で転職することは正しい選択なのか?」とすごく悩みました。
しかし、数十年同じ仕事を続けていく自信もモチベーションもないことは明確だったため、転職を決意しました。
結果、入社後に大きな苦労はあったものの、飛躍的なスキルアップと年収アップとなりました。
今から日系企業に、私は戻れる気がしません。
外資系のフィードバックを重視する文化や成果主義の文化が肌に合っているからです。
人それぞれ違うのですから、仕事に合う・合わないがあるのは当たり前の事だと私は考えています。
新卒で入社した会社が合っていればそのフィールドで頑張り続ければ良いと思いますが、ひととおり仕事をやってみて(成果を出せるよう努力してみて)大きな違和感を感じるようであれば転職して良いと思います。
合わないフィールドで頑張り続けるよりも、違うフィールドに挑戦してみるのも20代だからこそできる挑戦だと思います。
ぜひ、大きな一歩を踏み出してみてください。
この記事が20代で転職を考えられている方にとって、ご参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
とう(@totto_tou)
外資に勤めるサラリーマン。福岡県生まれ。趣味は筋トレと博多にわか。
大学院卒業後、国内企業に4年間勤務。その後転職して現在に至る。
本業の傍ら、週末農業をしており現在はサツマイモ作りに励む。
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