みなさんは「ジョブホッパー」という言葉をご存知ですか?
ジョブホッパーとは短期間のうちに転職を繰り返す人のことで、根気がない人だと悪いレッテルを貼られるケースもあります。
転職を繰り返す人は、以前は「転職ジプシー」と呼ばれていました。
呼び方が変わり「ジョブホッパー」と呼ばれるようになりましたが、ジョブホッパーという言葉にはポジティブな意味も含まれています。
転職も当たり前となってきた現代社会で転職をしながら市場価値を高めて、様々な場所で活躍しているジョブホッパーもいるのです。
この記事では、ジョブホッパーのメリットやスキルを紹介します。
転職にネガティブなイメージがある人やジョブホッパーに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 転職をネガティブに捉えている人
- 現代社会の覇者とも言えるジョブホッパーに興味がある人
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ジョブホッパーとは3年以内の短期離職を繰り返し、キャリアアップを狙う人のこと
ジョブホッパーとは「3年以内の短期間に転職を繰り返すビジネスパーソン」を指します。
彼らの特徴としては、自身の能力やスキルに自信があり、転職を利用しながら素早くキャリアアップを目指している方が多いです。
従来はネガティブな意味合いとして使われてきた呼び方でしたが、現代では一つのキャリアのあり方として注目をされることが多くなりました。
変化の早い現代社会の中では、終身雇用の考えは崩壊していますし、リモートワークが普及してきた今、会社に雇われるという考え自体が古くなってきています。
一般的には、転職経験が20代で3回以上、30代で5回以上ある人がジョブホッパーというイメージです。
実際にジョブホッパーはどれくらいいるのか、リクナビNEXTの「年代別の転職回数」を元に調査してみました。
20代では転職回数が3回以上の人が2%程度、30代では転職回数が4回~5回以上の人が5%程度の結果です。
40代・50代では、転職経験が6回以上ある人がそれぞれ1%と2%です。
全体としてはジョブホッパーが2%程度いると考えられますね。
ジョブホッパーと似た意味で使われる言葉に、「キャリアビルダー」があります。
キャリアビルダーとの違いも含めて、ジョブホッパーについて詳しく見ていきましょう。
ジョブホッパーとは違う?キャリアビルダーとはどんな人?
ジョブホッパーとキャリアビルダーは、以下の違いがあります。
ジョブホッパー | ・転職の目的は様々 ・ネガティブなイメージも含まれる |
---|---|
キャリアビルダー | ・転職の目的はキャリアアップ ・ポジティブなイメージ |
ジョブホッパーは、「ジョブホッピング」という言葉からきています。
ジョブホッピングとは、労働者が以下のような理由で短期間のうちに転職を繰り返すこと。
- より良い待遇を求める
- スキルの向上を目指す
- 職場の人間関係や仕事への不満を解消する
ジョブホッパーに対してキャリアビルダーは、転職によってキャリアアップする人を言います。
職務経歴に一貫性があってより良い条件のために転職をしていたり、キャリアアップのために資格取得や戦略的な転職をしたりと、有利になる転職をするのがキャリアビルダーです。
ジョブホッパーにはキャリアアップできない転職も含まれるので、ネガティブなイメージを持たれるケースもあります。
ジョブホッパーは優秀なの?事例からわかるジョブホッパーの特徴
ジョブホッパーでも、しっかりとしたキャリアプランを持って転職している人には優秀な人が多く見られます。
ジョブホッパーの代名詞とも言われる、年収1,000万・副業年収4,000万のmotoさん(@moto_recruit)の例を見てみましょう。
先日6社目に転職され、本業の年収が1,500万に到達したそうです。
おかげさまで無事に6社目の転職が決まりました。業界とポジションを同じくして目標であった年収1,500万のオファーをいただきました。まだまだ市場価値上げていきます。 https://t.co/5ywU5KhRsC
— moto (@moto_recruit) October 11, 2019
motoさんは、32歳で6社を渡り歩いているジョブホッパーです。
motoさんの経歴を見てみましょう。
年収200万
人材企業
年収300万
リクルート
年収540万
ITベンチャー + 副業
年収900万(本業700万 + 副業200万)
広告ベンチャー + 副業
年収5,000万(本業1,000万 + 副業4,000万)
広告業界 + 副業
年収5,200万(本業1,200万 + 副業4,000万)
32歳で5,000万以上を稼ぐって何者なんでしょうね。
motoさんが本業でも副業でも莫大な収入を得ているのは、本業と副業をかけ合わせて最大限のシナジーを生み出しているため。
本業と副業を別々のものと捉えるのではなく、相互に作用させてどちらの収入もアップさせています。
motoさんは常に自分自身を商品として考え、高く売るために必要なスキルや経験を転職や副業を通して獲得しているのです。
詳しく知りたい方は『転職と副業のかけ算』を読んでみてください。
計画的に転職をしているジョブホッパーは、転職によって自分の市場価値を高めています。
そのため、優秀なジョブホッパーもいると言えるのです。
YouTuberのKayoreenaさんも20代で4回転職しており、ジョブホッパーとしてのメリット・デメリットを解説してくださっているので、ぜひこちらの動画も閲覧してみてください。
ジョブホッパーにはどんなメリットがある?
ジョブホッパーには、次のようなメリットがあります。
- すぐに行動が起こせる
- 豊富な経験ができる
- コミュニケーション能力を高められる
- 自分の経験や能力に自信が持てる
- PDCAサイクルが上手く回せる
ジョブホッパーは1つの職場に長くとどまらないので、気になることがあればすぐに行動が起こせます。
チャンスがあったらすぐに転職するなどの行動によって、成功をつかんだ人よりも早く成長したりする機会に恵まれるケースも。
様々な環境で仕事をして多くの人と関わるので、豊富な経験ができてコミュニケーション能力も高められます。
豊富な経験をしているので、自分の経験や能力に自信も持てますね。
またジョブホッパーは次のことを常に考えているので、PDCAサイクルも上手く回せます。
PDCAサイクルとはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)で成り立っていて、立てた計画を実行し、評価した後改善する流れのこと。
やったら終わりにするのではなく、より効率の良い仕事や高い成果を求めるので、仕事での成果が出やすいメリットもあります。
ジョブホッパーのデメリットは?企業イメージは悪い?
一方でジョブホッパーには、デメリットもあります。
- 深い人間関係を築きにくい
- 人付き合いが苦手なのではと疑われる
- 飽きっぽい・忍耐力が足りない・我慢できないと思われるケースも
- 長期雇用が見込めないので避けられる可能性も
- すぐ辞めるので教育が難しいと思われる
- 職務経験に一貫性がなければスキルや能力が低いと思われる
ジョブホッパーは様々な職場を渡り歩いているためコミュニケーション能力が高い反面、深い人間関係は築きにくくなっています。
一つの職場で長期間働いていないので、人間関係が苦手・飽きっぽい・忍耐力が足りないなどのネガティブなイメージを持たれるケースも。
雇う側からすれば、長期雇用が見込めないので長く働いてくれる人を優先する可能性もあります。
すぐ辞めるのなら教育しても意味がない・未経験の職種への転職ならスキルがないので教えづらいなど、入社後の教育に対して不安に感じられる可能性がある点もデメリットです。
スキルアップのために一貫性を持って転職を繰り返している場合は問題ありませんが、一貫性がないと経験が少ないのでスキルや能力が低いと思われる可能性も。
上記の内容を見ると、ジョブホッパーに対する企業からのイメージはあまり良くないのではないかと不安になりますね。
実際に、転職回数が3回を超えると採用担当者は転職回数が気になるというデータもあります。
40%の採用担当者が「転職歴が3回以上だと気になる」と答えていますね。
しかし採用担当者は、単純に転職回数だけを気にしているのではありません。
転職回数が多い場合は、以下のような点をチェックされます。
- 転職理由は明確か
- 転職理由が妥当か
- 1社での在籍期間はどれくらいか
- どのような経験をしてきたか
- スキルは身についているか
- 転職後のビジョンは明確か
- ポジティブな気持ちで転職をしているか
リクナビNEXTが紹介している、担当者の声を見てみましょう。
短期間で転職を繰り返す方は、入社いただいても長続きはしないと判断しています。ただし、4回転職しても明確な理由があれば特に問題にしません。
引用元:リクナビNEXT 転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態
こちらの採用担当者は、転職回数よりも転職理由を重視しています。
少なければ良いという訳でもない。年齢と経験によって判断は異なります。本人に聞いて妥当性や要因を確認した後に判断しています
引用元:リクナビNEXT 転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態
年齢や経験によって違う判断をする担当者もいますね。
妥当性や要因もきちんと確認したうえで、採用について考えているとわかります。
ジョブホッパーは転職回数が多いから不採用になるのではなく、転職理由やスキル・経験などに気になる点がある場合に問題になると考えればいいですね。
前向きな転職を繰り返しているジョブホッパーなら、イメージが悪くなることはありません。
Google検索のサジェストキーワードでも「ジョブホッパーの末路」などと出てきますが、変化の早すぎる現代ではかつてのようにネガティブな結末が待っていることはなく、むしろ明るくポジティブな未来が待っていると言えるでしょう。
ジョブホッパーになるとどんなスキルが身につく?
ジョブホッパーになると、以下のようなスキルが身につきます。
- 新しいことを短期間のうちに習得するスキル
- 新しい環境に溶け込むスキル
- 経験や学びを抽象化するスキル
それぞれについて確認しましょう。
新しいことを短期間のうちに習得するスキルが身につく
ジョブホッパーになると、新しいことを短時間で習得するスキルが身につきます。
転職を繰り返して年収を上げるためには、会社のルールや仕組みを素早く理解しなければいけません。
自分が短期間で成果を出すにはどうしたらいいのかを見極める必要もあり、転職を繰り返すうちに、新しいことを短期間で習得できるようになります。
短期間のうちに様々な知識を習得できれば、自分の市場価値を上げるために役立ちますね。
新しい環境に溶け込むスキルが身につく
ジョブホッパーになると、新しい環境に溶け込むスキルも身につきます。
転職を繰り返すと、毎回職場の人間関係がリセットされます。
新しい環境の中で成果を出すには、恐れずに飛び込んですぐに溶け込むスキルが必要です。
新しい環境に溶け込むスキルは、仕事をする上で非常に重要。
新しい取引先とやり取りをする場面などで、身につけたスキルが活かせますね。
経験や学びを抽象化するスキルが身につく
短期間で転職を繰り返すジョブホッパーが成功するためには、それぞれの会社で学んだことを抽象化する能力が必要です。
どの会社で働いても、その会社でしか通用しない学びがあります。
しかしそれらの具体的な学びを抽象化しておけば、その先の仕事での再利用も可能です。
抽象化とは、具体的な経験から大切なポイントを抜き取って、別の場面で活かせるようにすること。
経験や学びを抽象化してストックすれば、様々な引き出しが自分の中にできます。
別の業種や職種に移っても、活用できますね。
ジョブホッパーになるのはどんな性格の人?
ジョブホッパーになるのは、どんな性格の人なのでしょうか。
考えられる性格は、以下の通りです。
- 飽き性の人
- 理想が高すぎる人
- 仕事仲間とコミュニケーションが取れない人
それぞれについて確認しましょう。
飽き性ですぐに辞めてしまう人
飽き性の人はある程度物事に取り組むと次に目移りするのでジョブホッパーになりやすいと言えます。
新しく興味を持てる物が見つかると熱心に取り組むので、やりたいことを見つけるモチベーションが高い特徴も。
興味を持てる物が毎回違う分野だとキャリア形成が難しいので、似たような分野の中から興味が持てる仕事を探すといいですね。
理想が高すぎて今の環境に満足できない人
仕事への理想が高すぎると、今の環境に満足できずジョブホッパーになる可能性があります。
理想と現実とのギャップが受け入れられず、転職したくなるのです。
理想の職場を探すのは、悪いことではありません。
自分の理想すべてを満たす職場は難しくても、今より良い環境の職場を目指して転職活動をすれば、キャリアアップにつながりますね。
仕事仲間とコミュニケーションが取れずいつも孤立してしまう人
仕事仲間とコミュニケーションが取れない人も、ジョブホッパーになりやすい傾向があります。
コミュニケーションが取れないと孤立してしまい、業務上の連絡が上手くいかない・仕事の悩みが相談できないなどの問題が起きる場合も。
職場に居づらくなった結果、転職してしまうケースも見られます。
【年代・属性別】ジョブホッパーのイメージまとめ
ジョブホッパーは、どのようなイメージを持たれているのでしょうか。
年代や属性別に紹介するので、参考にしてみてください。
20代のジョブホッパーに対するイメージは?
20代のジョブホッパーの場合、まだやりたい仕事が決まっていないだけ・いろいろな経験を積んでいる段階であるなど、前向きなイメージもあります。
まだ若いので、経験やスキルよりもやる気や人物が評価されるケースも。
一方で、辞め癖がついていないか・1社での経験年数が短すぎないかをチェックされる可能性があります。
1社での経験は3年が目安と言われているので、転職までの期間が短すぎる場合は注意が必要です。
30代のジョブホッパーに対するイメージは?
30代のジョブホッパーに対するイメージは、転職の動機によって違います。
結婚・配偶者の転勤・介護など、プライベートな状況の変化で転職回数が増えた場合は、仕方がないと思ってもらえるので問題はありません。
30代は社会に出て10年程度の時期なので、仕事での経験が重視される傾向があります。
即戦力になりそうな経験やスキルがあれば、積極的に採用されるケースも。
転職回数そのものよりも以下のような点が重視されるのが、30代のジョブホッパーです。
30代ジョブホッパーの転職で重視されるポイント
- 何を目指して転職しているか
- 納得できる転職の理由があるか
- 1社での経験年数が短すぎないか
- どのような経験やスキルがあるか
ジョブホッパーの30代が転職する場合は、これらの項目にしっかり回答できる状態にして転職活動に臨みましょう。
30代の方の転職におすすめの転職サイトは次の記事で紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
40代のジョブホッパーに対するイメージは?
40代のジョブホッパーに対するイメージは、企業の考え方によって違う傾向があります。
前向きにとらえている企業では、次のような考え方が見られます。
- 転職がプラスになることもある
- 経験やスキルがあれば転職回数は問題ない
年齢を考えると仕事の経験やスキルに注目が集まるので、職務経験に一貫性があれば有利に働く場合も。
逆に不安だと捉えている企業では、次のように見られるケースもあります。
- 管理職になる年代なので定着して欲しい
- 今後も転職する可能性があるので不安
- 転職回数が多いためスキルが身についていないのではないか
40代は責任のある立場になる人も多いので、管理職として定着して欲しいと願う企業では今後転職してしまう可能性が不安材料となります。
40代の方におすすめの転職サービスは次の記事で紹介しているので、こちらも併せて読んでみてください。
ジョブホッパーの女性に対するイメージは?
女性の場合、結婚・出産・育児・配偶者の転勤などが関係して、転職回数が多くなるケースもあります。
そのためジョブホッパーの女性の場合、転職理由によっては特に問題にならない可能性も多いと言えます。
しかし転職理由がはっきりしていなかったり、理由が妥当ではないと思われたりしたら、男女関係なく転職に悪影響が出る場合もあるので注意しましょう。
女性におすすめの転職サービスは次の記事にまとめていますので、併せてチェックしてみてください。
派遣のジョブホッパーはどう思われている?
派遣社員は契約期間が定められている状態で働いているので、何社も企業を渡り歩いても不思議ではありません。
契約期限が切れた場合、次の派遣先を紹介してもらえる可能性もあります。
様々な企業や仕事を経験できるのも、派遣のメリットです。
派遣社員はジョブホッパーになりやすい環境なので、特に問題視されません。
派遣社員として様々な経験を積んでスキルを磨き、正社員に挑戦する人もいます。
エンジニアにはジョブホッパーが多いって本当?
エンジニアにジョブホッパーが多いと言われる理由は以下のとおり。
- 求人が多い
- どの企業でも活かせる専門知識やスキルが身につく
- 技術の進歩が速い
- 仕事が幅広い
- 転職で給与が上がる場合も
IT業界は人手不足の傾向で求人が多く、転職しやすい環境です。
エンジニアとして身につけた専門知識やスキルはどの企業でも活かせるので、企業に求められやすくなっています。
技術の進歩が速く仕事が幅広いので、様々な企業で経験を積むと知識が増えスキルが磨かれるメリットも。
転職によって給与が上がる場合も多いので、積極的に転職が行われます。
もともと転職が多い業界なので、ジョブホッパーも多いのです。
ジョブホッパーになるなら、転職でのキャリアアップを目指そう
短期間に転職を繰り返すジョブホッパーには、ポジティブな意味もネガティブな意味も含まれています。
キャリアプランを立てて計画的に転職をすれば、より良い職場で働けます。
ジョブホッパー転職のポイントをおさらいしてみましょう。
- 職務経験に一貫性を持たせる
- 転職理由を明確にする
- 転職後のビジョンを明確にする
- 転職先をしっかり調べてより良い職場を探す
- 資格取得やスキルを身につけるなど準備をしてから転職する
ジョブホッパーとして生きていくなら、転職時に対応できる能力も必要です。
メリットとデメリットをうまく押さえて、効率よく転職活動をしていきましょう。
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