『お金2.0』を書いた佐藤さん、マジで天才です。
本書を読むことで、お金に対する考え方が180度変わります。
その結果、人生に対する考え方すら変わってきます。
『LIFE SHIFT』や『サピエンス全史』系のライフチェンジング書籍でした。
人生観が変わります
お金2.0
テクノロジーの発展によって21世紀に「新しい経済」が登場したと言われています。
『お金2.0』は、それがどんな経済で、人々はどのようにその経済を歩んでいくべきなのかを伝えてくれる本です。
「資本主義」から「価値主義」への大きなパラダイムシフトを迎えている現代では、「お金」というものの価値はほとんどなくなっていき、「個人の価値」が非常に重要になっていくというのが『お金2.0』の論点です。
ざっくり言ってしまうと、この先は
「自分の価値を高めておけばなんとでもなる」世界が実現しつつある
『お金2.0』の要約と感想
ここ最近読んだ本の中で別格によかったです。
「サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福」と同じくらいの衝撃を受けました。
ここからは『お金2.0』の内容を少しだけ紹介します。
資本主義社会の弊害
元々「お金」は価値を効率的にやりとりするための手段として生まれ、価値の保存・尺度・交換の役割がありました。
しかしいつの間にか「お金」はそれを増やすこと自体が目的になってしまい、お金からお金を生み出して札束を積み上げ続ける世の中に対して一部の人たちが「それってどうなんだろう?」と考えるようになってきたのが現代社会です。
その結果、お金が社会の中心に位置付けられた資本主義の欠点を補った考え方として、価値を軸として回る「価値主義」という枠組みが台頭してきています。
中央集権から「分散化」の時代へ
近代社会は「情報の非対称」を前提に作られています。
つまり情報が偏り、リアルタイムで共有できないことを前提としていたため、代理人や仲介者といった「ハブ」が全体を機能させていました。
このおかげで必然的に”力”は中央に集まるようになり、中央集権化が起こったのです。
グーテンベルグのおかげで「知識」のコモディティ化が起きた
テクノロジーの発明によって社会が劇的に変わった例として「知識」について見てみましょう。
15世紀にグーテンベルクによって「活版印刷技術」が発明されます。
この発明によって安価に書籍が作れるようになり、それまで一部の人に独占されていた「知識」が一般市民にまで伝わるようになりました。
その結果「思想」や「哲学」、「大学」や「図書館」が生まれたのです。
そして知識を蓄積・共有できるようになった人類は急速に文明を発達させ「産業革命」を起こしました。
それによって、それまで知識を独占することができていた王や聖職者は歴史の表舞台から姿を消すこととなり、逆に「資本主義」や「民主主義」を味方につけた商人・知識人・軍人が社会の主役となっていきます。
その後のインターネットの登場、そしてグーグルが出てきたことにより「知識」は完全にコモディティ化し「物知り」であることに価値がなくなりました。
グーテンベルクが「知識」に対して起こした革命が「お金」でも起ころうとしている
お金に関する革命はすぐそこまで来ています。
詳細は本書に任せますが、内容の要約だけ本記事に書いていきたいと思います。
「分散化」についての背景
情報が非対称だった時代は、「ハブ」として機能していた中央が権力を掌握していました。
しかし、現代社会では全員がスマホを持ち、リアルタイムで常時つながっているのが当たり前の世界となっています。
むしろこれからの未来では、人間同士がつながるだけではなく「もの」とも常時つながるようになるため、オンラインで人と情報とものが「直接」「常に」つながります。
そうなれば中央に代理人がハブとして介在する必然性がなくなり、全体がバラバラに分散したネットワーク型の社会に変わっていくはずです。
この「分散化」は近代の社会システムを全否定するため、中央集権的な管理者から、ネットワークを構成する個人への権力の逆流が始まっていくのです。
「お金」はどうなるのか?
ビットコインをはじめとする仮想通貨などのテクノロジーの登場によって「知識」で引き起こされたコモディティ化が「お金」でも起ころうとしています。
いま起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。
価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要がなくなっています。
今後は可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に交換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくのです。
「資本」を最大化することから、資本の根源である「価値」を最大化することに焦点が移っていくでしょう。
「資本主義」から「価値主義」へ。どんな働き方や生き方がスタンダードになっていくのか?
「好きなことに熱中している人ほどうまく行きやすい」に尽きると語られています。
多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすいのだそうです。
「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)」という本で、生まれた時から生きていく上で必要なものが揃っているミレニアル世代の若者は、お金や物に対しての欲がない「乾けない世代」だと語られていました。
ミレニアル世代をはじめとするこれからの時代を生きる私たちは、本当に価値を提供できる人であれば会社に属して働く必然性はありません。
そこで重要になってくるのは「個人の価値」です。
お金を増やすことよりも、個人の価値を高めることの方がよっぽど重要だという時代が来ているようです。
『お金2.0』まとめ
本書を読むことで、「個人の価値」を高めることがいかに重要なのかがわかります。
テクノロジーの発展によって世の中の常識はどんどんと覆されていくでしょう。
その変化に受動的に流されるのか、主体的に乗っていけるのかは、時代の流れを自ら追って、常識や慣習に疑問を投げかけることができるかどうかで変わってくるはずです。
その流れを把握するためにも、これからの生き方・働き方について考えるためにもぜひ一度手に取ってみてください。
人生観が変わります
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