【書評】「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」

モチベーション革命

ミレニアル世代が、世界に革命を起こし始めています。

革命を起こすミレニアル世代は、それまでの世代とは大きく人として違います。

特に、なんのために頑張るのか(モチベーション)が大きく異なるため、この差分を理解していなければこれからの時代で起こることが理解できなくなっていくでしょう。

モチベーション革命』は、そんなミレニアル世代のモチベーションについてわかりやすくまとめてある良書です。

本書を手に取ることで、これからの時代を生きるための「コンパス」が手に入るでしょう。

目次

モチベーション革命

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20代以下の若い世代(ミレニアル世代)と、その上の世代では「なんのために頑張るか?」という価値観(モチベーション)が大きく違います。

著者の尾原和啓は本書『モチベーション革命』を通して、

  • 20代以下の人々が、自分のモチベーションを客観的に理解し、人生を迷いなく生きられるようになること
  • 30代の団塊の世代以降の人々が、20代以下の人々をより理解し、活かせるようになること

この2つを成し遂げたいと述べています。

モチベーション革命とは何か?

「ミレニアル世代」のモチベーション

人間の欲望は、達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭の5つからなるとアメリカの心理学者は述べています。

団塊の世代以前は「達成」と「快楽」を、ミレニアル世代は「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」の3つを強く欲するそうです。

例えば、団塊の世代以前の幸福は以下のように書かれています。

汗水垂らして頑張って、高い目標を達成する。そして、そのご褒美に、美味しい料理を食べ、ワインを飲み、きれいな女性と一夜を共にするなどの 「身体的・心理的・社会的な快楽」 を味わうことが幸福の形でした

逆に、ミレニアル世代以降の幸福の形は次のようなものです。

自分が頑張る意味が持てるものに、自分が好きな人たちと、とことんハマることを重要視する。金銭や物理的な報酬とは関係なく、「自分の好き」 を追求する

ミレニアル世代にとっては、何かを達成して飲む極上のワインよりも、達成する前に友達とサイゼリアで飲むワインの方が良いというのが本音だといいます。

また、「いくら稼げるか」よりも「仕事に夢中になって時間を忘れてしまった」ということに喜びを感じるのだそうです。

ミレニアル世代は「しあわせ」の形が選べる世代

団塊の世代以前は、幸福を得るには与えられたことを達成するだけで済みました。

なぜならまだ社会が成長段階で「世の中の空白を埋めるように」仕事をしていれば良かったからです。

しかし、現代では必要なものはすでに全て揃っています。

ミレニアル世代は、生まれたころからすでに何もかもが揃っていたので、物や地位などを欲して頑張ることは必要ありません。

そもそも「ないもの」がないのです。

だからこそ、ミレニアル世代は、自分で「しあわせ」の形は選べるし、作ることすらできます。

何も考えなくてよかった上の世代と違って、考え、悩むことは多くなるかもしれません。

しかし裏を返せば、誰しもが自分自身の「しあわせ」を追い求めることができる良い世代と言えるのかもしれません。

ミレニアル世代における新しい価値の作り方

これからの時代においては、自分なりの「好き」がない人間は価値を生み出しにくくなるといいます。

これまでの「ワークライフバランス」の時代と違い、これからは仕事と遊びの境目がつかなくなっていくからです。

そうなった時に価値を生み出していくのは、好きで好きでたまらない”生きがい”がある人たちだといいます。

「他人からみれば非効率かもしれないけど、私はどうしてもこれをやりたい」という偏愛という嗜好性を持っている人が活躍する時代なのだそうです。

「好き」を見つけ、とことん突き詰めることがこれからの時代では必要なのでしょう。

『モチベーション革命』のまとめ

本書『モチベーション革命』を通して、自分のモチベーションや生きがいは何かを考えるきっかけになりました。

これからは、「稼がなければいけない」、「仕事は汗水垂らして頑張らなければいけない」、「高級車を乗ることがステータス」といった古い価値観に惑わされる必要はなく、自分自身で「しあわせ」を定義して生きていくことができる時代であるのです。

ミレニアル世代の方には、ぜひ一度手に取ってみていただきたいです。

この記事を書いた人

浅井 優太のアバター

国公立大学外国語学部英米学科卒業。TOEIC 970点 / IELTS 7.0 / 高校の英語教員免許保有。新卒から大手メーカーの海外営業として働く。

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