今の仕事や職場がイヤでもう辞めたい!でもお金がないから辞めるに辞められない!
そう思っている人は多いのではないでしょうか。
新卒だったら本当にお金がないよね…
特に若手のうちは貯金も十分でなく、辞めた後の生活を考えると簡単には仕事を辞められないと判断する方も多いことでしょう。
転職しようにもお金の不安が…とお考えの方も多く、お金の問題さえクリアすれば「いつでも辞めて転職をしたい」と考えている人が大半です。
そこでこの記事では、仕事を辞める際のお金の問題について様々な角度から説明していきます。
本記事はFPの飯田道子さんに監修して頂きました。
各種相談業務やセミナー講師を行うFPの飯田です。
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得し、現在はどの金融機関にも属さない独立系FPとして活動しています。
仕事が辞めたいと思っている方は「【仕事を辞めたい】6つの理由に対して、それぞれ徹底的に解決策を紹介します」もぜひ一緒に合わせてお読みください。
仕事を辞めたいけど、退職後の生活はお金がかかる?
仕事を辞めようと考えた時、多くの人が転職を考えるでしょう。
転職活動は大きく2つのパターンがあります。
- 働きながら転職活動をする
- 仕事を辞めてから転職活動をする
今回のテーマでは、2のケースだと金銭面で苦しむ人が多いです。
それもそのはずです。リクナビネクストのアンケートによると、転職に要した期間は「3週間以内」と回答した人が全体の約2割。
1カ月間で内定が出た人も合わせると、37%が時間をかけずに内定までたどり着いた計算になります。
反対に全体の63%は2カ月以上かかっており、そのうち27%は4カ月以上の期間を要しています。
新卒の時に2ヶ月無職になったら本当にやっていけなかっただろうな…
転職先が見つかるまで約3割の人が4ヶ月以上かかっています。
その期間収入がなくなる可能性も考え、早めに転職活動に取り掛かりましょう。
そもそも仕事を辞めた後にはどのような費用が必要となるのでしょうか?
ここでは主な要因だけを紹介します。
- 転職活動の費用
- 生活費
- 税金・保険料
主要なお金だとこれらが挙げられますが、車の維持費、子供がいる場合には教育費など家庭環境によって大きく変わります。
転職活動の費用
転職活動は想像以上にお金がかかります。
面接時の交通費、食事代、それも採用面接を受ける企業は1社だけでなく複数社受けるのが普通ですし、面接も複数回に渡ります。
中には説明会に出向くこともあるでしょうし、その際に新幹線を使えば往復で2万円以上かかることもあります。
企業の中には拠点や面接会場が首都圏のみという場合もあるので、地方在住の方は特に注意が必要です。
お金のこともありますので、受ける企業を選ぶ際は万全を期しましょう。
また、転職活動にかかる時間や面接の交通費は最低限で行うための工夫をしましょう。
そういった意味でも、転職エージェントや転職サイトは効率的に活用する必要があります。
企業の評判などの情報を事前に入手できますし、エージェントを利用すれば書類選考の通過率が上がる・面接日程の交渉・入社条件の交渉を代わりに行ってくれます。
転職エージェントへの登録・利用は無料ですので、ぜひ活用して効率よく転職活動を進めましょう。
詳細は下記のページで説明していますので参考にしてください。
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生活費
最初に説明したように、転職活動を始めてから内定が出るまで約6割の人が2ヶ月以上、中でも約3割が4ヶ月以上要しています。
当たり前ですが、転職活動中も生活費はかかり続けます。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費など普通に生活するための費用は絶対に必要です。
また奨学金の返済をしている人も多いでしょうし、交際費も普段意識しないだけで多く使っている可能性もあります。飲み会に行けば5000円は軽く無くなります。
そしてスマホ代や、有料アプリや音楽・動画の購入など娯楽にかかるお金もあります。仕事を辞める際にはこれらの見直しもお勧めします。
税金・保険料
皆さんは自分の給料からどのようなお金が天引きされているかご存知でしょうか?
退職後も税金などはもちろん払わなければなりません。
退職後にも払わなければならないものは以下の通りです
- 住民税
- 国民年金
- 国民健康保険
これらは会社に勤めている時には給与天引きであったものが、退職後は自ら手続きを行わなければなくなるのも注意です。
国民年金は企業に勤めている際には厚生年金という形でお金を払っていますが、退職と同時に厚生年金からも脱退しなければならないため、新たに国民年金に加入して国民年金保険料を支払う必要があります。
知らなかった…
健康保険も年金と同様に、退職することで扱いが変わります。
在職時には社会保険に加入していますが、退職することで新たに国民健康保険に加入することになるので、国民健康保険料を払う必要があります。
そして国民年金保険料の支払いで最も注意が必要なのは、社会保険に加入している際の保険料は半分を会社が負担していますが、国民健康保険の保険料は全額自己負担になり、負担が増えるということです。
保険料は支払わなければなりませんが、下記の2つの条件を満たせば、今まで加入していた健康保険に加入し続けられます。
そのまま国民健康保険料を支払うよりも、保険料を抑えることができます。
1. 退職日までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間がある。
2. 資格喪失日から20日以内に健康保険組合へ加入手続きを済ませる。
まずは退職する前に、総務担当者に相談することをおすすめします。
お金がないけど仕事を辞めたい時の7つの対処法
ここまで見てきたように、退職後も転職活動の費用や生活費、税金や保険料などで多くのお金が必要となります。
したがって、お金がなくなり生活できない状態になってしまうのは当然です。
その際に有効な対処法は以下の7つです。
1. 働きながら転職先を見つける
まず最も大切なのが転職先が決まる前に今の会社を辞めない、働きながら転職活動をする、ということです。
転職先を見つけないまま今の会社を辞めてしまうのは、精神的にも経済的にも大きなデメリットがあります。
企業の採用担当者の方と何名かお話をさせていただくことがあったのですが、「時々すでに仕事を辞めてから転職活動をしている方を見かけるが、そのほとんどの場合は問題を抱えており採用に繋がらないことが多い」と聞きました。
問題は大きく2つあり、1つは「精神状態がよくない」ことと、もう一方は「リスクのある安易な行動」です。
「精神状態がよくない」のは、主に金銭面から来る不安によるものです。
現在の貯金を減っていく一方で、「もしここもダメだったらどうしよう…」とそんな思いに駆られ焦ることなります。そんな人と、「もしここがダメでもとりあえず現職で収入はあるからなんとかなる!」と考えながら面接に臨める人では余裕に大きな違いがあります。
余裕を持ってリラックスできるような精神衛生的によい状態で転職活動に挑むべきです。
精神状態がよくない場合は、自分が冷静な判断をできなくなることにも繋がります。どうしても仕事にありつきたい、そんな状態だと本当にいいかどうかわからない企業でも入社を決めてしまったり、相手に足元を見られ安い給与を提示されてしまいます。
2つめの「リスクのある安易な行動」についてですが、「仕事を辞めて面接に挑む=やる気がある」みたいな姿勢を見せられると思っている方がいますが全くの誤解です。
企業からすると、そんな行動を人生の大事な岐路であるのにも関わらず、リスクを考えずに勢いで突っ込むような行動を、仮にも会社でされては困ります。
退路を断つという意味で仕事を辞める人もいますが、彼らの転職活動でうまくいった例を聞いたことはほとんどありません。
今の仕事をしつつ転職活動ができない人は、仕事を辞めてから転職活動をしても絶対にうまく行きません。
まずは、今の仕事を続けながら転職活動をできる範囲で始めてみましょう。
- 就業時間よりも早く出社してその日の仕事を早く終わらせて、定時になったらダッシュで帰る
- ギリギリまで有給を使い、転職の面接にあてる
- 昼休みなどの休憩中に、自己PRを考えたり求人を見て企業理解の時間を取る
のような工夫をし仕事も転職活動も効率化を図ると、仕事と転職活動の両立がしやすくなります。
そして転職を考え始めたタイミングで、転職サイトやエージェントサービスに会員登録をしておきましょう。
「ミイダス」を利用すれば、自分の今の市場価値(想定年収)を簡単に把握することができます。
ミイダスでは質問に答えていくだけで簡単に自分の想定年収を知ることができ、自分の市場価値がどの程度か理解することができます。数分程度で完了するので気になる方はぜひ試してみて下さい。
もちろん現在採用活動をしている企業の求人情報も届くので、隙間時間に求人情報を読み込み転職したい企業を探す習慣をつけましょう。
よほどのことが無い限り今の仕事は辞めないまま転職活動をし、精神的にも経済的にも余裕を持つようにしましょう。
2. ボーナスをもらってから辞める
とはいえ、長時間労働で体を壊しそうだったり上司からのパワハラがひどかったりしてどうしても辞めたい場合、仕事を辞めるタイミングを考えるのも選択肢の一つです。
最も辞めるタイミングとして多いのが「ボーナスをもらった後」です。
企業や個人によって支給される額や時期は異なりますが、支給された直後は比較的金銭的に余裕が生まれやすい時でもありますので、この時期を待つことができる人は検討してみてください。
ボーナスをもらってから辞めるのは、会社からの見てくれが悪いと考える人もいますが、気にしなくて大丈夫です。
どうしても辞めたいと思わざるを得ないほどあなたを追い詰めている企業にそんな思いやりは不要です。
世の中の多くの人が、ボーナスをもらってから辞めています。
また人材を求める企業側も、ボーナス時には社員が退職することが多々あるので採用活動をする場合もあります。
特に6月と12月は賞与が出る時期であることが多いので、それより少し前からボーナスのタイミングを狙って退職・転職活動をするのも1つの手です。
3. 退職後にお金を受け取る
退職後にお金を受け取る方法は主に3つあります。
- 退職金
- 失業手当
- 傷病手当
受け取れるかどうかは各個人によって異なりますが、これらの方法があることは覚えておきましょう。
また、自分が受け取れる資格があるのか、いつから受け取れるかは必ずご自身で確認しましょう。
退職金
退職金がいくらになるかは、「在職時の基本給」「勤続年数」に加えて、それぞれの企業独自で設定している「給付率」をもとにして計算されます。
当然同じ企業に勤めている人同士で比較すれば基本給が高ければ高いほど、勤続年数が長ければ長いほど退職金も多くなります。
ただし、自己都合で会社を辞める場合の退職金は、会社都合で会社を辞める場合と比べると低くなってしまうことには留意しておく必要があります。
退職金がいくらになるかは退職後の生活に大きな影響を与えるため、企業によっては退職金がいくらになるか聞けばあらかじめ教えてもらえる場合もありますので自分の勤務先の人事などに聞くことも選択肢です。
ただし、企業によっては退職金という制度自体を導入していないところもあるので、詳細については勤務先で確認しましょう。
失業手当
転職先が決まる前に仕事を辞めた人は住んでいる地域のハローワークに行き、失業保険を申請すれば、国から失業手当(正式名称:基本手当)が給付されます。
失業手当の給付金額は、退職前の給料(額面収入)の45%~80%程度が基本です。給料を多くもらっていた人ほど支給金額は多くなりますが、もらえる割合は低くなります。
なお、失業手当を申請する前に気をつけてほしいこともあります
- 失業手当を受給するには、ハローワークでの求職者登録が必須
- 最低1年以上会社で勤めている必要がある
- 自主都合退社の場合は1週間の待機期間の後、3か月後にしか給付されない
3については、会社を辞める際にはいくつか種類があります。
- 自主都合退職者・・・個人的な理由で退職
- 会社都合退職者・・・倒産・解雇・パワハラなど
- 特定理由退職者・・・病気・怪我・妊娠・出産・介護など
- 就職困難者 ・・・心身の障害など
これらのうち自主都合退職者以外は7日間の待機期間を待てば受給できますが、自主都合の場合はさらに3ヶ月かかります。
詳細についてはハローワークなどに問い合わせましょう。
傷病手当
病気や怪我により就労が不可と認められた場合には傷病手当が受け取れる可能性があります。
傷病手当は業務外にケガや病気で仕事ができない期間に、給与が支払われない場合にお金が支給される制度です。在職期間中だけでなく、会社を退職した後でも残りの傷病手当の受給ができる場合があります。
どのような条件かは全国健康保険協会のホームページを参考にしてください
4. アルバイトをする
次の就職まで食いつなぐ方法としてはアルバイトも考えられます。
どうしても給与水準は低くなってしまうことが多いですが、シフトを調整することができるので転職活動を進めながら働くことができます。
特に面接などは平日が多いので、平日に時間を調節できるような職種が良いでしょう。
長期的ではなく一時的なアルバイトのため、コンビニやカフェ、塾講師など長期間働いてもらう前提のアルバイト先は控えた方が良いです。
転職活動をしながらアルバイトで当面の生活費を確保する場合、転職とアルバイトの両立が必要となるので、出来るだけ時間的な制約が少ないところを探しましょう。
デザイナーやプログラミングなど何かしらのスキルがある方はクラウドワークスやランサーズなどクラウドソーシングサービスを活用し、自分の都合のいい時に生活費を稼ぐようにしましょう。
スキルがなかったとしても、例えばウーバーイーツの配達員をやるなど、転職活動と両立しながら生活費を稼ぐこともできます。
貯金面が不安な場合でも生活費を稼ぐ手段はいくらでもあるので、生活費を稼ぎながら転職活動をしていきましょう。
その他、自分がスキルアップをしたい分野のアルバイトがあれば、挑戦しても良いですね。
アルバイトはお金を貯める機会であり、スキルアップの機会と捉えて取り組むようにすると良いですね。
お金を稼いでいることで心にも余裕が生まれ、転職活動もうまくいくようになる方が多いです。
5. 日々の生活費を削る
収入が限られてしまう以上、日々使うお金を節約するしかありません。
特に交際費や固定費は予想以上に使っていることも多いのでこの機会に見直してみてはいかかでしょうか?
貯金に余裕がない中で退職し転職活動をしたい場合は、特に毎月固定でかかる費用の中で削れる部分はないか、入念に検討しましょう。
例えば現在使っている携帯電話を格安SIMに変えるだけで、これまで例えば毎月8,000円かかっていたのが月3,000円まで減らすことが出来ます。
他にも不必要な保険を解約する、友人との飲み会を月1回だけにする、外食を控えて自炊メインにするなど、これまで生活にかかっていた余分な費用を削るように心がけるようにしましょう。
6. 税金などの減税措置を受ける
仕事を辞めたいけどお金がない人は、税金の減免制度の利用も検討してみてください。
のの減免措置を受ければ、再就職するまでの税金の負担を抑えることもできます。利用できるものとしては以下のものがあります。
- 国民年金保険料の免除・納付猶予制度
- 国民健康保険料の減免制度
- 住民税の減免制度
まず、国民年金保険料については国民年金担当窓口に相談しましょう。
“失業等による特例免除”を申請すれば、失業期間中の国民年金保険料が全額免除されることもあります。
しかし、減額や免除を受けると将来自分が受け取る金額が少なくなる可能性もあります。十分に注意してください。
健康保険料については国民健康保険担当窓口に相談しましょう。
国民健康保険料の減免制度を申請すれば、国民健康保険料の減額または免除措置を受けられることも可能です。
正当な理由があり、非自発的に失業した人(会社都合や病気・妊娠など)は、国民健康保険料の負担が2割~最大7割軽減されます。
住民税については各地域の住民税担当窓口で相談しましょう。各地域によって制度の内容は異なりますが、住民税の減免制度を利用すれば、住民税の減額や免除といった措置もあります。
7. ハローワークに相談し、給付金をもらう
失業保険の受給資格があり、条件を満たしていれば、ハローワークに相談し求職活動にかかる費用を「求職活動支援費」として給付金をもらうことが出来ます。
求職活動支援費には、
- 広域求職活動費:遠方の企業説明会や面接に参加する際に必要な交通費・宿泊費費用を全額支給
- 短期訓練受講費:受講期間が1カ月未満の資格取得講座等の訓練経費のうちを2割、上限10万円まで支給
- 求職活動関係役務利用費:転職活動のために利用した保育サービス等の費用を8割支給。ただし求職活動は最大15日、教育訓練は最大60日の上限あり
の3種類があります。
給付されるための条件には対象要件や詳細な制限などがあるので、必ずハローワークに確認してください。
働く意思さえあれば、このように公的機関によるセーフティネットがあるので、条件に当てはまれば使わない手はないです。
仕事を辞めたいけどお金がない時の対処法まとめ
日々一定の給料をもらっていると見えにくいですが、税金や保険料をはじめ、生活費はかなりの出費です。
また、転職活動をしようとすると交通費など様々な場面でお金が必要となります。
転職活動を始めてから内定を得るまで数ヶ月かかるケースが大半となりますので、その間収入がないとなると非常に苦しい生活になるのは明らかです。
なおさら20代であれば貯金も少ないため仕事を辞められなくなるケースが多数存在します。
もし現時点で少しでも仕事を辞めたいという気持ちがあれば、徐々にでも転職活動を進めていくべきです。
本当に辞めたいと思ってから転職活動を進めても転職先が見つからず、お金もないため辞められないということになります。
転職エージェントを活用すれば、企業との日程調節など交渉ごとを任せられ時間の節約になりますし、ミスマッチや書類審査で落とされるリスクを減らせます。
また、今すぐにでも辞めたいと考えている人でもエージェントを活用し、最短で転職を果たせる可能性を探るなど様々な方法を提案してくれるはずです。
お金がないという理由で仕事を辞められず、さらなる苦痛を味わうというのは避けたいところです。上記の対策法を実践しつつ、計画的に転職活動を進めてみましょう。
監修者からの一言
仕事がツライ、もう無理…となってしまったときには、すぐにでも退職したいと思う人は少なくありません。とはいえ、自分が理想とする会社に就職するのは簡単ではありません。勢いで退職するのではなく、まずは在職中から自分のスキルを磨き、淡々と準備を進めることです。退職するときには、貰える手当やボーナスはしっかり貰い、転職活動に備えることが必要です。理想は、在職中に転職先を見つけることです。有給休暇が残っているならフル活用し、転職先を見つけていきましょう。独立したい場合は、副業が認められているなら、在職中から取り組んでおき、軌道に乗せてから退職しましょう。
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