「とりあえず3年間は同じ会社で働き続けるべき」
これ、完全な間違いです。
新卒で入った会社に3年間は最低でも耐えなければいけない雰囲気が世間一般には漂っていますが、全くそんなことありません。
仕事を辞めたい理由が明確にあれば、新卒だろうと何だろうと辞めて大丈夫です。
仕事を辞めることが、次のキャリアに響くのかを気にして、惰性(だせい)で働いて何も成果が出せない方が、長期的に見てキャリアが傷つきます。
上司へのストレスや人間関係が悪いのに3年間我慢し続けても、今後の転職先で評価されるのは「忍耐力」のみで、次の職場でも同じように忍耐を強いられるような扱い方をされるかもしれません。
ただ、新卒が仕事を辞めるのは下記のような不安があるのも事実です。
- 仕事を辞めたいけど、お金がない
- 転職できるか不安
- 辞めるタイミングがわからない
会社に入ったばかりで辞めるってなると、お金やキャリアなど色々不安になるよね。
この記事では、新卒が仕事を辞める際のよくある悩みの中でも「辞めるタイミング」について解説していきます。
僕自身、新卒1年目で仕事を辞めなかったものの、辞める前提で転職活動をしていました。
周りの同期や友人は入社から数ヶ月で何人も仕事を辞めていたので、新卒で仕事を辞める際の悩みは非常によくわかります。
この記事が、みなさんにとって何か参考になれば幸いです。
また、何か悩んでいることがある方は今すぐ辞める前にこちらの記事にあるように悩みを解消するのも手の一つですよ。
新卒が仕事を辞めるベストタイミング
結論から述べると、新卒が仕事を辞めるベストなタイミングは「1月〜3月と7月〜9月の間」です。
なぜなら、4月入社と10月(9月)入社の2つの時期がもっとも求人募集が多く、そのタイミングが転職活動のベストタイミング。
中でも、3月と9月は求人が特に増えますので、その時期はもっともおすすめです。
- 1〜3月に転職活動をして、4月入社を目指す
- 7〜9月に転職活動をして、10月入社を目指す
タイミング次第では全く求人がないこともあるので、新卒の方は仕事を辞めるタイミングを見誤らないようにしてください。
求人が増えるだけでなく、次の新卒や、10月入社の中途採用と入社時期を合わせるためにも3月と9月に、仕事を辞めて転職することがおすすめです。
おすすめの理由について、一つずつ解説していきます。
3月と9月は求人が多い
3月と9月は転職活動シーズンです。
1年の中でもっとも求人が出るのがこの時期で、多くの転職者が生まれます。
なぜこの時期に募集が集中するかというと、この2つの時期は共に上期・下期の境目になっていて、人事異動が多く、たくさんのポストが空くためです。
もちろん求人が出始める3月と9月から焦って転職活動を始めても準備不足になるでしょう。
求人が増える時期の1、2か月前から自己分析、面接対策等しっかりと準備をしてください。
今の職場に対しても迷惑がかからないようにしたいなぁ…
今の職場に対しても迷惑がかからないようにいつ頃がいいか考える人もいらっしゃると思います。
転職業界自体がこの時期が活発になるので、現在の職場にとっても対しても上記のタイミングでの退職が好ましいでしょう。もし、あなたの抜けた穴を埋める必要があったとしても比較的見つけやすいはずです。
もちろんプロジェクトや担当などのタイミングで上記の期間に合わせられない場合もあります。
転職先ももちろん退職・入社のタイミングについても融通はきかせてくれるので、そういう時は転職の活動だけでも早めに始めることをおすすめします。
3月退職+4月入社 タイミング:次の新卒と入社時期を合わせられる
3月に辞めて、4月に入社することで次の新卒と入社時期を合わせることができます。
新卒と入社時期を合わせるメリットは次の通りです。
- 教育や研修がきちんと受けられる
- 同期ができる
教育や研修には莫大なコストがかかるため、企業としてはまとめて行いたいと考えています。
また企業側は、「第二新卒であれば、基本的なビジネスマナーやスキルが身についている」と考えているため、教育を飛ばして入社後すぐに働いてほしいと考えるでしょう。
もし中途半端なタイミングで入社すれば、まず教育も研修もなく働くことになります。
しかし第二新卒で本当にビジネススキルが身についている人はほとんどいないので、できたら新卒と同じタイミングで入社してきちんと研修などを受けると良いでしょう。
また、同期ができることは非常に大きなメリットです。
新卒が仕事に行きたくなくなる理由のもっとも大きな原因が、職場の人間関係で、悩みや不満を誰にも相談できない環境になってしまうと多くの方が病んでしまいます。
そんな時に、同じ悩みを共有できる同期がいると心が救われます。
第二新卒は同期が作りづらいことは事実ですが、次の新卒の代と入社時期を合わせれば同期が作れますので、ぜひそちら工夫してみてください。
9月退職+10月入社 タイミング:中途採用と入社時期を合わせられる
10月の中途入社の方々と入社時期を合わせるのもおすすめです。
基本的に同じタイミングで入社する人は多ければ多いほどメリットを享受することができます。
教育面であったり、人間関係(同期)面であったり、様々な恩恵を得られます。
中途採用の方と入社時期を合わせることで、新卒の時とは少し違った同期間のつながりが生まれ、中途の方の前職の体験やこれまでのキャリアなどを深く話す機会にもなって第二新卒の方にとっては非常に参考になるでしょう。
9月に転職をして10月入社をすることもおすすめです。
新卒で仕事を辞める時のポイント
新卒でも転職することは可能ですが、仕事を辞める際に気をつけて欲しいポイントもあります。
失業保険を受け取るには12ヶ月勤務している必要がある
失業保険は雇用保険の被保険者が、様々な事情で失業した時にもらえる手当てです。
新卒で仕事をやめた後にこの手当てを得て、転職活動をしようと考えている人もいるかもしれませんが、気をつけたいのは受給資格です。
この基本手当ては以下のような条件の人に支給されます。
ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。(「ハローワーク インターネットサービス」より引用)
この2番を見ると、「被保険者期間が通算で12ヶ月以上」とあります。
ですので、新卒の人ならば最低でも3月31日までは勤務してなければいけません。
この手当ての受給を考えている人は、辞めるタイミングに気をつけましょう。
有給休暇
新入社員でも有給休暇が付与されます。
企業によって付与されるタイミングは異なりますが、通常は入社後6ヶ月経過し、出勤率8割以上の社員に10日付与されます。
もしすでに入社後半年をすぎて、有給休暇が付与されてる場合には、それをうまく活用してから辞めるのも選択肢です。
有給休暇は「権利」なので、新入社員でも必ず使えます。
辞める前に一度自分の有給休暇を確認してみましょう。
新卒で退職する際の切り出し方(伝え方)
新卒入社したばかりで「退職する」というのははばかられますよね。
せっかく採用してくれたことや、研修費用などをかけて社会人として育ててくれた会社への感謝からなかなか言えないという方が多いです。
しかし、一度しかない人生です。新卒であろうと仕事を辞めたっていいんです。
実際、世の中の10%程度の新卒社員が入社1年目以内に会社を辞めています。
ただし、切り出し方や伝え方に悩む方もいるかと思いますので、ここでは上手な退職の切り出し方をお伝えします。
まずは直属の上司に相談する
誰にはじめに伝えるかは、十分に考えましょう。
多くの方がマネージャーや課長などに伝えようとしますが、その層の方々は「離職率」に対してミッションを持っていることもあり、なかなか辞めさせてくれません。
ミッションが絡む、つまり利害関係のある方に相談しても適切なアドバイスは得られません。
ですので、親身になって退職することを考えてくれる直属の上司に相談するようにしましょう。
15分〜30分のまとまった時間を取ってもらう
上司に相談して適切な退職の切り出し方、進め方を教えてもらったらその通りに実行してください。
あまり良いアドバイスがもらえなかった場合には、15分〜30分のまとまった時間を取って部署のトップと話しましょう。
目的としては「退職する旨を伝えること」です。
その際に、迷っているといった伝え方ではなく、意思は固まっていることをきちんと伝えてください。
まだ引き止めるチャンスがあると思わせてしまっては、あの手この手で引きとめようとしてきます。
「すでに内定をもらっている別の企業がある」「ずっと挑戦したかったことにどうしても挑戦したい」など、次にやることが明確に決まっていることを清々しく伝えると良いでしょう。
どうしても引き止められ続けたら最終手段を使う
どんなに意思が固まっていることを伝えても、引き止めてくる方はいます。
「引き継ぎが終わるまではいるのが礼儀だ」「新卒で入社していくらお前にかかってるのかわかってるのか」「会社への感謝の気持ちはないのか」
確かに新卒社員が退職するのは会社にとって大きな痛手です。
しかし、辞めたいと思われてしまう会社側にも問題はあり、強引に引き止める権利はありません。
どうしても辞められない時には退職代行サービスを利用してください。
このサイト経由でも何人もの方が利用していますが、即日会社を退職させてくれるサービスです。
できる限り、退職代行サービスを利用することなく退職することができれば良いですが、あなたの大切な時間を上司の引き止めに使われてしまっては次のキャリアにもひびが入ります。
新卒で仕事を辞める際のおすすめの転職活動方法
新卒で転職活動をする際のおすすめの方法を解説します。
僕も新卒1年目で転職活動を割と本気で取り組んでいたので参考になるかと思います。
結論から述べると、新卒1年目で転職活動をする際は、スカウト系の転職サイトと、第二新卒に強い転職エージェントを複数社利用してください。
新卒1年目におすすめの転職活動方法
- スカウト系の転職サイトを利用する
- 第二新卒に強い転職エージェントを利用する
基本的にすべての転職サイトと転職エージェントは無料なので、トレードオフになるのは時間だけです。
間違った転職サイトと転職エージェントに登録することがなければ、基本的には複数のサービスを並行利用した方が良いでしょう。
キャリアアドバイザーの当たり外れが、初めての転職活動だと比較対象がなくわからないので、そういった意味でも最低2社は利用しましょう。
僕は20社以上のサービスを利用していましたが、さすがに多かったです(笑)
ただ、20社を使ってわかったことは、第二新卒であればスカウト系転職サイトと、第二新卒に強い転職エージェントに登録しておけば間違いないということです。
これら4サービスはすべて登録しておくことをおすすめしますが、時間も限られており厳選してサービス利用したいという方であれば、『doda』と『
マイナビジョブ20’s』の2つをおすすめします。
転職活動をより成功させたいという方は下記の記事で徹底的にサービスの紹介と転職活動の進め方について解説を行っているので、そちらもご覧ください。
新卒が仕事を辞めるタイミングに関するよくある質問
- 新卒が一年で辞める割合はどれくらい?
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厚生労働省の調べによると、大卒の就職者が一年目で離職する割合は全体の11.6%との結果になりました(平成30年度3月新規就職者での割合)。
なお、二年目で11.3%、三年目で8.3%との数値も出ています。
- 新卒が退職する理由をランキングで教えて下さい。
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Biz Hitsが調査した結果では、新卒が退職する理由のランキングTOP3は、以下のようになりました。
1位:仕事内容が合わない
2位:人間関係が悪い
3位:勤務時間・休日への不満
希望した配属が通らなかったり、入社前と後のギャップ・ストレスなどが主な原因として挙げられるでしょう。
- 新卒が3年で辞めるメリット・デメリットは?
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メリットとしては、第二新卒として採用されることや、未経験職種に挑戦できることなどが挙げられます。
デメリットとしては、転職市場で経験者としてキャリア採用されない場合や、「続かない人」との印象を持たれかねないことなどがあるでしょう。
3年で辞める理由は人により様々ですが、第二新卒を積極的に採用する企業は多いです。今の会社を辞めづらい・言いづらいからといって、デメリットを深く考えすぎる必要は無いでしょう。
- 新卒が5月で退職する人が多いって本当?
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「五月病」という言葉があるくらいですので、環境の変化や人間関係が原因で退職を検討する人が多いようです。
5月には連休も続くため、時間ができ、考えた結果として5月を退職するタイミングとする場合が見られます。
新卒が仕事を辞めるタイミングのまとめ
まとめると、そもそも「とりあえず3年間」大きな間違い。1年目でも2年目でも転職は頻繁に行われており、理由もなく3年間働き続けることはネガティブなイメージしかつかない。
タイミングとしては1月〜3月と7月〜9月の間に仕事を辞めて転職活動をしましょう。
そしてスカウト系の転職サイトと、第二新卒に強い転職エージェントを複数利用してください。
僕自身が転職活動をしてわかったことは、第二新卒でも間違った転職活動をしなければたくさんの求人があったり、就活の時には気づかなかった素晴らしい企業が世の中にはたくさんあるということでした。
たとえ、転職活動をした結果、仕事を辞めないことになったとしても世間を知る意味で転職活動をすることは何もマイナスにはなりません。
転職活動で難しいのは、一歩目を踏み出すことだけです。
確かに仕事を辞める上でのお金の心配や、転職活動をするだけの時間があるのかなど不安を挙げればおそらくいっぱいだと思います。
しかし、一歩さえ踏み出してしまえばトントン拍子で進んでいくのが転職活動です。
『doda』などの転職サイトに登録してみても良いですし、周りに転職活動経験者がいるのであれば話を聞いてみても良いでしょう。
ぜひ一歩を踏み出してみてください。売り手市場のいま転職をするのは戦略的にも非常にありです。
今回は触れませんでしたが、仕事をやめたいと思っている理由がセクハラやパワハラであれば、直ちに対処しましょう。
放っておくと、鬱(うつ)になって仕事にいけなくなってしまうこともあります。
そんなことになる前に、自分のために対処していただければと思います。
「仕事を辞めたいけどお金がない」、「新卒で辞めてしまって転職できるのか不安」といった悩みは別の記事で解説していますので、そちらをご覧ください。
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