この記事では、仕事を辞めたいと思っている方に向けて、具体的な解決策を紹介しています。仕事を辞める理由は人それぞれですが、よくある「辞めたい理由」に向けてヒントを紹介していきます。
ご自身の悩みと近いものがきっとありますので、参考にしてみて下さいね。
仕事を辞めたいと思っている人は、多いのではないでしょうか。
この記事では、よくある仕事を辞めたい理由に対して、僕なりの解決策を提示していきます。
本記事はキャリアコンサルタントの錦戸かおりさんに監修して頂きました。
国家資格キャリアコンサルタント錦戸かおりです。
個別カウンセリングを中心に活動を続け、年間のべ 250名 のキャリア支援活動を行っています。
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【5分で読める】転職の進め方
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転職活動を始めようとしているけど、どうしたらいいかわからない方向け。具体的にどんな転職サービスをどのように利用すれば転職を成功させることができるのかをお伝えしています。
仕事を辞めたい理由は?よくある5つの理由を紹介
仕事を辞めたいと思う理由は人それぞれです。
厚生労働省の調査によると、転職の経験がある人の転職理由は以下の通り。
今回は定年や契約期間の満了・会社都合など、自分で決められない理由は除いて紹介しています。
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1位 | 収入が少なかった:10.2% | 労働時間など労働条件が悪かった:13.4% |
2位 | 労働時間など労働条件が悪かった:10.0% | 職場の人間関係が好ましくなかった:11.8% |
3位 | 職場の人間関係が好ましくなかった:7.7% | 収入が少なかった:8.8% |
4位 | 会社の将来が不安だった:7.6% | 仕事内容に興味が持てなかった:5.5% |
5位 | 能力・個性・資格が生かせなかった:4.8% | 能力・個性・資格が生かせなかった:4.3% |
6位 | 仕事内容に興味が持てなかった:4.6% | 会社の将来が不安だった:4.0% |
上記のデータを元によくある仕事を辞めたい理由を以下の5つに整理しました。
5つの中にあなたの抱える悩みがあれば、その箇所から確認してみてください。
自分はすぐに仕事を辞めてしまうと感じている場合は「仕事をすぐ辞める人の特徴7個とすぐ辞めないための仕事の見つけ方」も参考になります。
給与に満足できない
仕事を辞めたい理由で多いのは、給与に満足できていないことです。
厚生労働省の調査結果を見ても、男性の転職理由の1位、女性の転職理由の3位になっています。
お金の悩みは多くの人が抱えているものです。
それを解決するために、お金をモチベーションとして仕事を頑張っている人もいるのではないでしょうか。
生活に直結するので、給与に満足できないと仕事に対するやる気が大幅に削がれる可能性があります。
職場の人間関係がうまくいっていない
職場の人間関係がうまくいっていないと、仕事を辞めたいと思うケースが多く見られます。
会社では、人間関係を自分で選ぶことができません。
協調性のない人がいたり、パワハラやセクハラをする人がいたりすると、強いストレスがかかります。
人間関係のストレスが続くと、メンタル不全を起こし、生活に大きな影響が出る可能性も。
ハーバード大学の100年近くにも及ぶ研究によると、幸福にもっとも関連する要素は「人間関係」であると言われています。
- 周りとの繫がりは健康にとても良い
- 良い人間関係は身体の健康だけでなく脳の健康も守る
仕事は人生の時間の大部分を占めるものです。
長い時間を過ごす職場で人間関係にストレスを抱えていると、幸福から遠ざかってしまうでしょう。
仕事内容が合わない
仕事内容が合わないことも、仕事を辞めたい理由になります。
「お金を稼ぐために仕事をしている」と割り切っている人であれば、この悩みはないかもしれません。
しかし、仕事にやりがいを求める人や成長することに幸せを感じる人は、仕事内容が合わないとやる気が出なくなります。
厚生労働省の調査でも、男性・女性とも「能力・個性・資格が生かせなかった」という転職理由が5位になっていますね。
特に若手のうちは事務的な仕事が多くなる傾向にあるので、「自分がやりたかったのはこんな仕事じゃない!」と悩むケースも。
自分に合わない仕事や雑務としか思えない仕事をしていると、人生を無駄にしてしまっているのではと不安になる場合もあります。
労働時間が長すぎる
労働時間が長すぎると、心身ともに疲れてしまいます。
長時間労働はブラック企業の代名詞と呼んでもいいかもしれません。
労働問題弁護士ナビにもあるように、残業80時間が過労死ラインと言われているので、80時間を超えて残業を強いられている場合は早めの対処が必要です。
厚生労働省の調査を見ると、女性では労働条件の悪さが転職理由の1位になっています。
男性でも2位なので、労働条件の悪さに悩んでいる人は多いと言えますね。
上司へのストレス
上司へのストレスも、仕事を辞めたい理由としてよく見られます。
アメリカの研究で、上司へのストレスが心臓病の原因にもなるという結果が出ています。
アメリカの40万人以上の労働者を調査した結果、信頼の置けない環境で仕事をする人は、喫煙、高血圧、糖尿病、質の悪い食生活、肥満、高コレステロールの傾向が高いことが分かった。そして上司こそが、その信頼の置けない環境の原因だった。(上司からのストレスが心臓病の原因になるかもしれない)
ストレスを我慢し続けると、体調を崩したり精神的に病んだりする可能性があります。
最悪の場合うつになる場合も。
上司相手だと意見が言いにくいので、問題が深くなります。
仕事を辞めたい時の解決策は?
仕事を辞めたいときに考えられる解決法には、以下のものがあります。
- 仕事をやめたい理由を探る
- 相談する
- 目の前の仕事に全力を尽くす
- 楽に生きる方法を考える
- 思い切って転職活動してみる
それぞれについて、詳しく確認しましょう。
なぜ仕事を辞めたいのか理由を探ってみる
そもそもなぜ仕事を辞めたいと思うのでしょう? 転職するにしても、面接の際に必ず転職理由は聞かれますので、そのときの準備も兼ねて、まず現状把握からはじめましょう。
仕事を辞めたい理由がわかれば、おのずと対処方法も見えてきますね。
先ほど挙げた仕事を辞めたい理由としてよく挙げられる5つのほかにも、以下のような理由が考えられます。
- 社風が合わない
- 会社に将来性が感じられず不安
- 頑張っているのに評価されない
- 起業して自分の力を試したい
仕事を辞めたい理由を書き出すと、整理しやすくなります。
書き出した理由を、自分で解決できそうな内容と解決できない内容に分けてみましょう。
自分ではどうにもできない理由で辞めたい場合は転職活動を始める、対処できそうな場合はもう少し頑張ってみるなど、方向性が決めやすくなります。
なんとなくモヤモヤとして理由がつかめない場合は、キャリア・カウンセラーに相談してみましょう。
人間関係に悩んでいるなら適切な人や場所に相談してみる
人間関係に悩んでいる場合は、適切な人や場所に相談することで改善できる場合もあります。
考えられる相談先は、以下の通り。
- 上司で悩んでいる場合は上司の上司
- 信頼できる先輩や同僚
- 会社の窓口
- パワハラやセクハラの場合は社外の労働相談窓口
- 家族や友人など社外の人
- 社内・社外のキャリア・カウンセラー
- 社内の産業医や社外の心療内科・クリニック
上司で悩んでいる場合、その上司の上司であれば注意をするなどの対策をしてくれるはずです。
しかし、その二人の関係性が深い場合は、真剣に取り合ってもらえないケースも。
最悪の場合、自分の相談内容が上司に伝わってしまう等の可能性もあるので関係性を観察するなどして注意が必要です。
信頼できる先輩や同僚がいれば、その人に相談する方法も。
会社に設けられている相談窓口や人事部への相談もおすすめです。
コンプライアンスを扱う部署がなかったり、パワハラやセクハラなど、社内で相談することに抵抗を感じるケースもあります。
以下のような相談窓口も利用できますので、必要に応じて相談しましょう。
社内の問題でも、会社と関係ない人に話した方がすっきりする場合もあります。
家族や友人など、頼れる人がいるなら親しい人に話す方法も考えましょう。
精神的に辛くてうつかもしれないと考えられる場合は、こちらもぜひ参考にしてください。
社内に健康管理質があるようでしたら、産業医や保健師にも積極的に相談してみましょう。社内にない場合は、心療内科やクリニックも頼りになる存在です。
もし本当にうつ病であれば、診断書を発行してもらいましょう。労災認定される場合や、手当を受け取れる場合もあります。
目の前の仕事に全力を尽くしてみる
仕事が合わないと感じている場合、まずは目の前の仕事に全力を尽くしてみる方法もあります。
ルーティンタスクや雑務ばかりだとやりがいを感じられない場合もあるかもしれませんが、目の前の仕事に全力を尽くすことで「やるべきことを着実にできる人」と言う評価を得て、大きな仕事の機会が与えられるケースは多いものです。
今の合わない仕事や雑務の先に自分のやりたい仕事が待っている場合もあるので、まずは全力で頑張ってみましょう。
それでも納得できる仕事が与えられない場合は、転職を考えるといいですね。
何がしたいのか全力で突き詰める方法も
目の前の仕事に全力を尽くすのと合わせて、何がしたいのかを突き詰める方法もおすすめです。
何となく今の仕事が合わないと感じている場合、全力で取り組むのが難しいかもしれません。
やりたいことがわかり、今の仕事の先にやりたことが待っているとわかれば、目の前の仕事に全力を尽くせますね。
天職とも言われますが、本当に自分に合う仕事に就けていれば、毎日職場に向かうのも楽しくなります。
ただし、自分自身のことを深く理解していなければ、天職は見つけられません。
就職活動の際と同じように、自分がどんな時にモチベーションが湧き、どんなことが好きなのか、深く考えることが大切です。
以下のような質問をされてパッと答えられるか、チェックしてみましょう。
- 好きなことは?
- 得意なことは?
- 人生でもっとも重要なことは?
- どんな時にやる気を感じるか?
- 人生をかけて成し遂げたいことは何か?
自己分析につながる質問は無数に考えられますが、大切なことは自分の中で明確かつ納得できる軸を持っていることです。
徹底的に自分と向き合うことで、何がモチベーションになるか、譲れない価値観は何かが見えてきます。
僕は自己分析をする際に、『ストレングスファインダー』をしたり『MBTI』のテストをしたりしました。
天職を見つけるためにも、まずは自分自身について深く知ることから始めてみてください。
最近、リクナビNEXTのグッドポイント診断と呼ばれる診断テストを試してみましたが、無料でできるストレングス・ファインダーといった感じで非常に参考になったのでこちらもおすすめです。
無理に頑張るのをやめて楽に生きてみる
そもそもあなたにとって「楽」とはどのようなことでしょう? そこから考えてみませんか?
通勤に大きなストレスを感じるのであれば、リモートワークにするにはどうしたら良いか考えるのもよいでしょう。
趣味の時間を増やしたいなら、仕事の効率化を考えるのもアリです。
自分にとって「楽に働く」とはどういうことなのか、そこから考えることで、どうありたいかが見えてくるでしょう。
思い切って転職活動してみる
いろいろ考えた上で、やっぱりチャレンジしたいのであれば、思い切って転職活動で腕試しをしてみましょう。
転職活動をして他の会社を知ることで、今の会社が実はそれほど悪くなかったことがわかったり、希望を叶えるにはもう少し今の会社でできることがあることに気づいたりすることがあります。
転職活動をした結果、転職をした方がこの先の人生がよりよいものになると判断したなら思い切って転職しましょう。転職することで変えられるポイントを書きましたので、ぜひ参考にしてみてください。
転職すれば給与が上がる場合も
企業規模によって、賃金の平均は以下のように異なります。
中小企業で働いている人は、今よりも規模が大きい企業に転職すれば給与が上がる可能性もありますね。
給与水準は業界や職種によっても決まるため、低い給与水準の業界で頑張っても希望する年収に到達しない場合もあります。
リクナビNEXTなどの転職サイトで自分の業界の求人票を見てみると、将来どれくらいの給与が得られるか予想できます。
年収を上げたい場合、給与が高い傾向にある外資系企業への転職を目指すのも一つの方法です。
適切な転職エージェントを利用すれば、外資系企業に入社できる可能性もあります。
外資系企業を目指す方におすすめの転職エージェントは「外資系転職で本当におすすめの転職エージェント7選【実際に使ったものだけ紹介】」で紹介しているので参考にしてみてください。
年収は会社の規模や業界、職種、あなたのポテンシャル、そしてその業務ができる人材の需給バランスによって決まります。また一時的に年収が上がっても、その先上がりにくい場合もあります。ぜひ短期的な見方ではなく、総合的な判断をしてください。
転職は人間関係の一新にも役立つ
転職すると職場が変わるので、人間関係がリセットされます。
人間関係のストレスは根深く、人生の幸福度にも関わってきます。
ストレスと戦うことに多くの時間を使うより、環境を変える方が近道の可能性も。
ただし、転職をする前には企業選びをきちんとしましょう。
転職をしても結局人間関係がうまくいかなければ、転職した意味がないからです。
事前に転職エージェントに相談をするなどして、転職先の企業の雰囲気を掴むようにしましょう。
転職すれば仕事内容や労働環境も変えられる
転職すれば仕事内容も変えられるので、仕事内容が合わない・労働時間が長すぎるといった問題も解決できますね。
特に長時間労働は命にも関わってくるため、改善策を試しても変えられなかった場合は転職や退職を考えましょう。
とはいえ、長時間労働を強いられていると、転職活動に割く時間や体力がない可能性も。
転職活動が難しい場合は、オファー型の転職サイトが便利です。
オファー型の転職サイトとは、登録しておくと企業からのオファーが届く仕組みのサイトです。
20代であれば大手優良企業などからのオファーが多い「リクルートダイレクトスカウト」、30代以上であれば「ビズリーチ」に登録しておきましょう。
金銭面に不安がある場合もありますね。失業手当をもらう方法もありますが、すぐにもらえるわけではないので、事前にしっかり調べ、経済的に困窮しないように、できるかぎり転職先が決まってから転職するようにしましょう。
転職してよくなることを書きましたが、せっかく転職しても予想外のことが起きるケースもあります。たとえばどうしても苦手な人がいたために転職したのに、同じタイプの人が転職先にもいるといったケースです。
転職する前に、苦手な人とどう仕事をするか、できるだけいろんな試みをしてみることをお勧めします。
仕事を辞めたいと思ったときこそ、チャンスがたくさんある!
仕事を辞めたいと思い始めると、どんどんその思いが強くなってしまうものです。でも実はそんなときこそ、次のステージに進むための試練だったり、自己理解を深める大きなチャンスだったりするものです。
今、仕事を辞めたいと思っている人は、こんな状態ではないでしょうか。
- 人間関係に悩んでいるが会社の状況で異動や配置換えができない
- 経営者の方針が合わない
- 仕事の内容が合わない
- 年齢が上がった時に働き続けるのが難しいと感じる
- 長時間労働させられるなど労働環境が悪い
転職活動中の面接で、転職理由として上の内容を面接官に伝えたとしましょう。するとこんな質問が返ってくることが予想されます。
「で、あなたはその事態をどう改善しようとしましたか?」
あなたはなんて応えますか?実はこの質問に応えられないと、問題解決力が足りない人と判断されてしまいます。ではどうしたらよいでしょう?
たとえば上記のような問題が生じている場合、あなたはまず何をしたらよいでしょう?
まずは自分で解決策を考えることです。でも、きっとそれは皆さんすでにされているでしょう。次にするのは「相談」です。「仕事を辞めたいときの解決策」にもありますね。悩んでいるときは視野が狭くなりがちです。そんなときは自分だけで判断せず、いろんな立場の人の意見を聞いてみましょう。
たとえば、人間関係に悩んでいるが異動や配置換えがないとか、経営者の方針が合わないなど、自分ではどうにもならないように思えますが、ぜひ上司や先輩に相談してみてください。もしかしたら関係性で悩んでいる人に、他の人からアプローチしてもらえるかもしれません。また経営方針もあなたには気づかなかった意図があるのかもしれません。気づけなくても恥ずかしがることはありません。でも勘違いをしたまま退職するのはとてももったいないことだと思います。それを誰かに相談すれば、違うことに気づけるかもしれません。
仕事の内容が合わないと感じるのであれば、何がどのように合わないのかをとことん分析してください。「営業は合わない」といったように大雑把なことではなく、営業の何があわないと感じるのか。対個人の営業がイヤなのかとか、初めての人に会うタイミングが苦手なのか。何気ない話題を提供するのが苦手、なんていう人もいるかもしれません。
自分がイヤだと思うことを分析したら、どうしたらそれを克服できるかを考えましょう。営業の先輩に相談すると、「自分も最初はなにを話せば良いのかわからなかったよ」なんて打明け話が聞けるかもしれません。そのときに学んだ本を教えてくれるかもしれません。
このようにいろいろ対策を試してみて、結果的に解決できたなら転職の必要はなくなるでしょう。そしてそれ以上に、パワーアップした自分になっているでしょう。またもし解決できなかったとしても、何か対策を講じたと言う経験が残ります。
先ほどの質問に戻りましょう。
「で、あなたはその事態をどう改善しようとしましたか?」
よく見てくださいね。「どう改善しましたか?」ではなく「どう改善しようとしましたか?」なのです。改善できたかどうかも大切ですが、より自分を活躍させ、会社に貢献するために「働きかけ」ができる人かどうかが知りたいのです。ぜひ、誰に相談したかも含めて、やってみたことを伝えてください。少なくとも「困ったときには相談できる人」だと言うことが伝えられます。
「年齢が上がった時に働き続けるのが難しい」や「長時間労働等、環境の問題」については、すぐに改善するのはなかなか難しいですが、こちらも同様の質問が来たときの準備をしましょう。また、「年齢が上がった時に何が困るのか?」をしっかり考えるのも大切です。
子供ができたとき、子育てとの両立はとてもできないと感じるのであれば、同じような働き方をしている人たちがどのような工夫をしているのか、ネットで調べてみるのも一案です。遠方の実家の年老いた両親のケアのために、地元ヘのUターン転職を検討していた人たちは、このコロナ禍でリモートワークが実現し、転職が不要になった人も多くいました。
また、企業が健康経営を取り入れることになり、長時間労働が横行していたのがすっかりホワイト企業になったという例も多々あります。転職してしまってから、あの時転職しなくても良かったのではないかという思いを持つ人も多いのです。
「辞めたい」と思うことは決して後ろ向きなことではなく、スキルや知識をさらにアップするちょうど良いきっかけになると思いませんか?
実際に転職活動をするときの準備は?
実際に転職活動を開始する場合、以下のことが必要になります。
必要な準備は以下の3つ。
- 自己分析をする
- 転職エージェントに登録して次の転職先を探す
- 引継ぎマニュアル作成に着手する
それぞれについて確認しましょう。
自己分析をしておく
転職するなら、今以上に自分に合った職場を見つけたいものです。
自分に合った仕事を選ぶには、自己分析が欠かせません。
先ほど書いた、今の仕事の何が嫌なのかの分析のほか、以下の点を書き出して、自分がどうしたいのか、何が向いているのか確認しましょう。
- やりたいこと
- 自分にできること
- 強み・得意なこと
- 周りからの評価
とはいえ、自分で自己分析をするのが難しく感じる場合もあるでしょう。
その場合は、外部のキャリア・カウンセリングや転職サイトや転職エージェントを活用して、自己分析を手伝ってもらうとスムーズです。
例えば以下のような自己分析ツールがあるので、活用しましょう。
- リクナビネクスト:グッドポイント診断
- マイナビジョブ20’s:適性診断
- doda:キャリアタイプ診断
ポジウィルキャリアではキャリアトレーニングが受けられますが、その中で自己分析のサポートも受けられます。
転職エージェントに登録する
転職したい場合、働きながら転職活動をする方法と辞めてからする方法があります。
可能な限り、働きながら転職活動することをお勧めします。
理由は以下の通り。
- 生活費が不安になると転職を焦ってしまう
- 支払いに追われると冷静な判断ができない
- 転職エージェントを活用すれば働きながらの転職活動も可能
- 転職エージェントでは内定後のフォローが受けられる場合も
- タイムマネージメントが上達する
退職してお金に余裕がなくなると、転職を焦って納得できないまま転職したり冷静な判断ができなくなったりする原因になります。
転職エージェントを活用すれば、働きながらの転職活動も可能です。
転職エージェントは様々な転職をサポートした実績を持っているので、円満に退職できるようアドバイスしてもらえる場合もあります。
次の職場が決まっていれば、生活費などの心配をしなくてすみますね。
転職から円満な退職までサポートしてくれる転職エージェントを上手に活用して、転職をスムーズに進めましょう。
内定が出ても、納得できなければ辞退ももちろんできます。期限までにお返事をしましょう。きちんとした対応をすることで、将来またその会社を受けたくなったときにも良い印象を残すことが可能です。
引継ぎマニュアル作成に着手する
職場を辞めるのだから後はどうなっても構わないと考えると、後々後悔することになります。
たとえば、行きたい会社が見つかったのに、引継ぎがきちんとできないために、先方の希望入社日に間に合わないなんて事態がありえます。退職する会社でも、無責任な辞め方をした人という悪い評判が残りますし、疲れきった顔で入社したら、新しい会社からも良い目では見られないでしょう。
最近では紹介による転職も多くなっています。特に年齢が上がるにつれて紹介による転職の可能性は高まります。今はまだ若いので困らないかもしれませんが、将来の自分を大切にするという意味でも、責任感のある退職を心がけていただきたいと思います。
引継ぎでは、以下の点を詳細に伝えて、気持ちよく送り出してもらえるよう準備をしましょう。
- 仕事の進め方
- 業務の目的や位置づけ
- トラブルが起きた際の対処法
- イレギュラーへの対応
担当者が困らないように、マニュアル化して残すのがポイントです。
取引先がある場合は、挨拶回りや担当者の変更の連絡もしておきましょう。今後取引先の人とビジネスで再会する可能性もあります。良い印象を残すことはとても大切です。
退職後に何かあった時に備えて、連絡先を伝えておく必要もあります。
最近では外資系だけでなく日系企業でもリファレンスレターを要求されることが増えてきました。また、長いキャリアの中には出戻り入社する機会もあるかもしれません。長い目でよりよい仕事人生にするためにも、辞め際の行動はとても大切ですね。
またお世話になった上司や先輩とはできるだけ良い関係性を維持することをお勧めします。将来転職する際に、「リファレンスレターを書いてもらえる人がいない」という事態を避けるためにも、ときおり連絡を取ったり、年賀状を出すなどネットワークを育てておくことも、自分の未来を大切にする上でとても大切です。
仕事はどう辞める?退職の流れを事前に知っておこう
では実際に良い会社が見つかり、仕事を辞める時は、どうすればいいのでしょうか。
流れを事前に確認して、一般的な流れを知っておきましょう。
ただし会社によっては規則が違うケースもあるので、就業規則を見ておいたり、他の人が退職する際にどうしているか情報を集めるなどしておくとよいでしょう。
- 仕事を辞めたいと上司に相談
- 上司が人事に報告
- 人事担当と面談をして退職することを伝える
- 上司に退職願を提出
- 引継ぎを行い退職日を迎える
仕事を辞めたいと上司に相談する
仕事を辞めたいと思ったら、まずは直属の上司に相談しましょう。
引継ぎなどをしなければいけないので、遅くても退職したい日の1か月前には伝える必要があるため事前に就業規則で確認しましょう。
上司から人事へ報告がいく
上司から人事に報告がいき、人事の担当者と話を進める形になります。
人事担当と面談し退職することを告げる
人事担当と面談をして、退職することを告げます。
退職に伴って以下のような公的手続きも必要なので、するべきことを確認しましょう。
“退職に必要な手続き”
- 税金関係
- 年金
- 健康保険
- 雇用保険
上司に退職願を提出する
人事担当との話が終わったら、上司と退職日を話し合ったうえで退職願を提出します。
職場によっては退職届になるケースもあります。
退職願と退職届には、以下の違いがあります。
退職願 | 退職を願い出る書類 却下される可能性もある |
退職届 | 退職の事実を伝える書類 会社に退職の可否を問われない |
特に決まりがない場合は、口頭で退職の意思を伝えた後で退職願を出す方が円満な退社に繋がります。
法律的な権利を考えると、退職届を出して2週間が経過したら労働者は会社を辞められますが、引継ぎ期間が短くなり、迷惑をかける可能性が高いので、就業規則に書かれている期間を引き継ぎに当て、退職することが望まれます。
しかし退職届は一方的な伝え方になるので、退職を願い出る内容の退職願を提出する方がスムーズです。
スムーズに退職できればよいのですが、この段階で引き止めにあうケースもあります。
退職を申し出ると、ここでも必ず退職理由を聞かれます。年収を上げたいので、と言ったら年収アップの申し出があったり、仕事が合わないと伝えたら、配置転換を提案されたりと、辞めたいと思っていた理由が改善されてしまう提案を受けることが実際にあります。さて、どうしましょう?
たとえばこのような時に内定を辞退したらどうなるでしょう? 退職の意思を会社に伝えたということは、転職先のオファーレターにサインしたということなので、内定辞退は契約違反となります。逆に今の会社からの提案を蹴って転職した場合、もしかしたら後悔が残るかもしれません。
こういうことがないようにするためにも、転職活動を始める前に何か問題を抱えたときには、一人で抱え込まないで相談し、解決に向けて動いてみることが大切です。年収での問題を抱えていたら、どうしたら年収が上がるか、何をしたら評価が上がるかを相談してみましょう。
あなたが満足していないという意思表示をすることで、周りが動くこともありますし、解決に向けての行動をとったという経験にもなります。また、実際に転職の意思を示した際にも、あきらめて手放してもらえるでしょう。
引き継ぎを行い退職日を迎える
退職日が決まったら、後任の担当者が困らないようにしっかり引き継ぎをしましょう。
残務整理や社内・社外への挨拶の準備も必要です。
今後も何らかの形で関わる可能性があるので、丁重に挨拶をしましょう。
仕事を辞めるタイミングはいつがベスト?
仕事を辞めるベストのタイミングは、次の転職先が決まった後です。
退職してから転職活動をすると、生活費に困る可能性も。
なかなか内定がもらえないと、希望通りの会社ではないのに入社してしまうケースもあります。
転職先が決まるということは、求められている証拠です。
求められているタイミングで転職すると、その後も仕事が円滑に進みますね。
仕事を辞めたいと思うのは甘えではない!体調を崩す前に転職も考えておこう
仕事を辞めたいと思うのは、甘えではありません。
課長も部長も会社を辞めたいと思ったことは一度や二度ではないでしょう。
人間関係や労働環境など、職場には個人の努力では変えられない問題点があるケースもあります。先ほども書いたように、まずは改善策を考え、チャレンジしてみることが大切ですが、それをしてもどうにもならないこともありますね。
そんな場合はぜひ転職活動も視野に入れてみるとよいでしょう。
ストレスを抱えながらずっと仕事を続けていると、体調を崩す可能性もありますね。体調を崩してからの転職活動はとてもしんどいものです。面接では思ったことがなかなか伝えられなくて、傷つく場面もあります。
一人で抱え込まずに、まずは相談。そして改善策にチャレンジ。それでも難しいような場合は転職も考えておきましょう。
監修者からのコメント
転職を意識した皆さんへ
お願いがあります。ぜひ今抱えている悩みについて、いろんな人に相談してみてください。
きっと、いろんな人がいろんな意見を言うと思います。でも誰かの意見に従う必要はありません。いろんな意見を聞いて、自分で判断してほしいと思います。
これからの人生、判断することがたくさんあります。キャリアだけでなく、好きな人に告白するのかしないのか、どんなタイミングでするのか、どこでするのか?
結婚するのかしないのか。家を買うのか買わないのか…。人生の大きな判断をする前に、たくさん判断をする練習をしてください。
そのためにも、転職活動はものすごく良い練習になります。紹介された会社を受けるのか受けないのか。内定が出たけれど、その会社に行くのか行かないのか。
他の会社も見たいけれど、なんて伝えたらいいんだろ…たくさん考え、たくさん判断してださい。
相談相手の中には、ぜひキャリア・カウンセラーを入れていただけると嬉しいです。転職を斡旋するエージェントではなく、ぜひご自分でお金を払ってカウンセリングを受けてください。
その方が利害関係なく、あなたのためだけに相談に乗ってくれるからです。
自分で悩みを理解し、これからの方向性を定めた上でエージェントに登録したほうが、
精度の高いアドバイスをもらえたり、希望に合う求人を紹介してもらえます。
キャリア・カウンセラー、良いエージェントのコンサルタント(会社ではなく個人)に出会えたら、できるだけ長いお付き合いをしましょう。私も10年、20年とお付き合いのあるクライアントさんがたくさんいらっしゃいますが、その時々の悩みの相談に乗ることで、お一人お一人の成長を見守らせていただいています。
あなたの長い仕事人生の中でブレインとして、きっと力になってくれますよ。
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